2016年9月1日 第36号

 スティーブン・ハーパー前首相は8月26日、正式に議員を辞職することを発表した。自身のフェイスブックにビデオレターを投稿し、国民に感謝のメッセージを送った。

 ハーパー前首相は保守党党首として2006年に、少数派政権ながら自由党からの政権奪取に成功。2008年総選挙でも少数派政権を維持、2011年には過半数を大幅に上回る圧勝で多数派政権を実現した。しかし昨年10月の総選挙で自由党に政権を奪われ、党首を辞任。国会議員として残ってはいたものの、辞職の意向はすでに示していた。

 「これまでも一緒にいい国づくりに励んできたが、これからもっと良くなっていくと期待する」と国民にメッセージを送り、国内外でカナダの素晴らしさを示してほしいと語った。

 保守党は2004年に、当時のカナダ同盟と進歩保守党が統合して結成され、初代党首としてハーパー前首相が選ばれた。以来、昨年党首を辞任するまで約12年にわたり党首として党を率い、10年間首相としてカナダを導いた。

 今回のハーパー前首相の発表に対し、ジャスティン・トルドー首相は「首相として、その前には党首として国に尽くしたということについては疑いようがない」と記者会見で語り、前首相とその家族に感謝とエールを送った。

 今後については語っていないが、民間企業などから理事として声がかかっていると各メディアは伝えている。

 

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