2017年5月4日 第18号

 ブリティッシュ・コロンビア州議会議員選挙の投開票日まであと1週間となる中、今月に入り支持率が各社から発表された。

 大方の結果は、BC自由党、新民主党(NDP)の2大政党の接戦とグリーン党の躍進。どちらが政権を取ってもおかしくない状況となっている。

 世論調査会社イプソスが1日に発表した結果では、自由党支持が43パーセント、NDPが41パーセント。グリーン党が14パーセントまで伸ばしている。まだ決めていないは20パーセントだった。

 フォーラム・リサーチが2日に発表した報告では、世論調査による現時点での結果から得票率と獲得議席数を予測。それによると、NDPが37パーセントで47議席と過半数を獲得。自由党は29パーセントで34議席。グリーン党は24パーセントで4議席と予測している。

 さらに、各世論調査会社の結果から独自の予測をCBCで発表しているエリック・グレニエ氏によれば、5月2日に発表された4月30日時点での予測では、NDPの得票率は40・5パーセント、自由党37・6パーセント、グリーン党19パーセント。獲得議席数はNDP45議席、自由党39議席、グリーン党3議席となっている。この場合、NDPの少数派政権となる。

 世論調査結果については、前回2013年選挙ではNDP圧勝の予想だったが、ふたを開けてみると実際は自由党が圧勝。ただ、この時フォーラム・リサーチは自由党勝利を予測していた。

 今回も予測を覆す結果になる可能性も指摘されている。そんな中でカギを握るのは、どうやらグリーン党になるのではないかとみられている。

 投開票は5月9日。4月29、30日には期日前投票が実施された。BC選挙管理委員会は、両日合わせてBC州内で、すでに23万1034人が投票したと発表している。期日前投票は5月3日から6日までにも実施される。前回選挙での期日前投票数は36万6558票だった。

 

 

2017年5月4日 第18号

 ブリティッシュ・コロンビア州自由党クリスティ・クラーク党首は、HSTも、付加価値税(VAT)も、自由党が政権を取った場合には導入しない、と1日の午後の会見で公言した。

 自由党政権は2016年に、州経済の競争力強化のための税制度改革についてビジネス界からの意見を求めていた。その中で、州税(PST)に代わる税としてVAT導入が勧められていた。

 同日の午前中の会見では、HSTは否定したものの、VATについては導入の可能性を残す発言に留まっていた。しかし、これが反対者の批判を招き、名前を変えたHSTの導入を自由党が繰り返そうとしていると批判が上がった。そして午後にVAT完全否定となった。しかし、クラーク党首は少なくとも4月30日の時点では、VAT導入については検討に値するとの考えを示している。

 これに野党新民主党(NDP)が反応。自由党が、コロコロ意見を変えるのは常套手段と批判した。

 HSTとは物品サービス税(GST)と、PSTを融合させた消費税制度。BC州では、2009年の選挙時に導入しない、と当時の自由党ゴードン・キャンベル党首が約束したにもかかわらず、政権を取った後に導入を発表。その後、選挙前から連邦政府と導入を話し合っていたことが明らかになり、キャンベル州首相が辞任する結果となった。

 その後、クラーク党首が誕生。住民投票でHST廃止が決定し、現在のGSTとPSTに戻った。HSTでは、GSTでは課税対象となっているが、PSTでは免税となっている物品に対しても課税対象となるため、消費者の税負担が大きくなる。その代わり、ビジネス側の税負担が軽減されることから税負担の移行との批判が上がった。

 

 

2017年5月4日 第18号

 ブリティッシュ・コロンビア州の研究者が、眠りに入りやすくる方法を考案、メディアや有名人のあいだで取り上げられている。

 この方法は、認知科学の研究施設所長であり、サイモン・フレーザー大学の助教授でもあるラク・ビュードインさんが考案した「認知シャッフル(cognitive shuffle)」。気がかりなことが頭から離れなくて眠れない状態を、脳を別のことに集中させることで緩和し、眠りに入りやすくしようというもの。

 この、別のことに集中させるためにビュードインさんが選んだのが、文字遊びだった。

 まずベッドに横たわった状態で、重複文字がない単語を一つ思い浮かべる。そのうえで、それぞれの文字から始まる単語を考えていくというのが、その方法だ。

 例えば「bird」という単語を思い浮かべたら、それぞれ「b」「i」「r」「d」で始まる単語を考えていく。ビュードインさんがこの方法を150人以上の学生に試してみたところ、最初に思い浮かべた単語で、この作業を完了させるだけでも結構疲れたと感じた人が多かったという。ビュードインさんによれば、これで眠りに落ちやすくなる脳の状態を作り出せたことになるという。この方法は、実際にやってみると思ったよりも集中力が必要で、脳は、このことにかかりっきりになるとビュードインさん。

 彼はまた、このために最初の単語をランダムに表示するアプリ「mySleepBotton」も開発している。薬を使わずに眠りに入りやすくする技術は、きっと人々の注目を集めるだろうと語るビュードインさん。実際、この方法はニューヨークタイムズやフォーブスといった有名誌のほか、アメリカで最も影響力のある女性ともいわれている、オペラ・ウィンフリーさんのオンライン雑誌でも紹介された。

 

 

2017年5月4日 第18号

 カルガリーに本社を置くカナダ第2の航空会社ウエストジェット社が2日、ボーイング社にドリームライナー10機を発注したことを明らかにした。2019年第1四半期には納入される予定で、2021年12月には完了する。2020年から24年の間に、さらに10機を発注するオプションも含まれている。

 これにより同社は、長距離国際線に参入することができるようになる。新規開拓路線として、アジア、南アメリカ、ヨーロッパを視野に入れている。カナダ第1の航空会社エアカナダと競合する。

 さらに、超低価格ブランドを設立し、来年には運行を開始する予定。航空券料金に含まれるのは搭乗する料金のみで、その他のサービスは全て有料という設定になる。同社は利用者のニーズに合わせて利用できるとしている。

 

 

2017年5月4日 第18号

 オンタリオ州ウォータールー市で4月30日に行われたマラソン大会に出場した女性が、ベビーカー2台を押しながらハーフマラソンを完走した。

 この女性は、4児の母であるジェン・ウェザールさん(42歳)。子供たちに、必死で頑張れば何でも達成できることを見せたかったのだと、この挑戦の目的を語っている。彼女が押していたのは、それぞれ2人の子供が乗った二人乗りのベビーカーで、ハーフマラソンでベビーカーに乗せられた子供の数の最高記録として、ギネス世界記録に登録された。

 しかし、当日は最高気温が7度ほどと寒かった上に、15メートル/秒を超える風が吹き、コンディションは良くなかった。そんな中、最後の10キロメートルは激しい肩の痛みにさいなまれ、これ以上前に進めないと思ったと、ウェザールさん。しかし、おやつや塗り絵などを与えられていた子供たちは、このマラソン参加を楽しんでいたようだ。誰もむずかったりせず、最後の1時間ぐらいは眠っていたという。そういった意味で、完璧なマラソンだったと感想を話し、帰ったら風呂に入ってシャンペンで乾杯すると語っていた。

 また、このハーフマラソン大会は今年から、今年初めに亡くなった地元ランナー、エド・ホワイトロックさんの名前を冠することにした。ウォータールー市にほど近いミルトン出身のホワイトロックさんは、70歳以上の男性でただ一人フルマラソンを3時間以内で完走するなど、36の世界新記録を保有。昨年も、このウォータールー市のハーフマラソンに85歳で出場、2時間を切るタイムでゴールインしている。大会の運営組織は、ホワイトロックさんはマラソンの世界で大きな功績を残し、人々から称賛されていたと取材に語っていた。

 

 

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