2017年5月4日 第18号

 ブリティッシュ・コロンビア州の研究者が、眠りに入りやすくる方法を考案、メディアや有名人のあいだで取り上げられている。

 この方法は、認知科学の研究施設所長であり、サイモン・フレーザー大学の助教授でもあるラク・ビュードインさんが考案した「認知シャッフル(cognitive shuffle)」。気がかりなことが頭から離れなくて眠れない状態を、脳を別のことに集中させることで緩和し、眠りに入りやすくしようというもの。

 この、別のことに集中させるためにビュードインさんが選んだのが、文字遊びだった。

 まずベッドに横たわった状態で、重複文字がない単語を一つ思い浮かべる。そのうえで、それぞれの文字から始まる単語を考えていくというのが、その方法だ。

 例えば「bird」という単語を思い浮かべたら、それぞれ「b」「i」「r」「d」で始まる単語を考えていく。ビュードインさんがこの方法を150人以上の学生に試してみたところ、最初に思い浮かべた単語で、この作業を完了させるだけでも結構疲れたと感じた人が多かったという。ビュードインさんによれば、これで眠りに落ちやすくなる脳の状態を作り出せたことになるという。この方法は、実際にやってみると思ったよりも集中力が必要で、脳は、このことにかかりっきりになるとビュードインさん。

 彼はまた、このために最初の単語をランダムに表示するアプリ「mySleepBotton」も開発している。薬を使わずに眠りに入りやすくする技術は、きっと人々の注目を集めるだろうと語るビュードインさん。実際、この方法はニューヨークタイムズやフォーブスといった有名誌のほか、アメリカで最も影響力のある女性ともいわれている、オペラ・ウィンフリーさんのオンライン雑誌でも紹介された。

 

 

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