2017年5月4日 第18号

 ブリティッシュ・コロンビア州自由党クリスティ・クラーク党首は、HSTも、付加価値税(VAT)も、自由党が政権を取った場合には導入しない、と1日の午後の会見で公言した。

 自由党政権は2016年に、州経済の競争力強化のための税制度改革についてビジネス界からの意見を求めていた。その中で、州税(PST)に代わる税としてVAT導入が勧められていた。

 同日の午前中の会見では、HSTは否定したものの、VATについては導入の可能性を残す発言に留まっていた。しかし、これが反対者の批判を招き、名前を変えたHSTの導入を自由党が繰り返そうとしていると批判が上がった。そして午後にVAT完全否定となった。しかし、クラーク党首は少なくとも4月30日の時点では、VAT導入については検討に値するとの考えを示している。

 これに野党新民主党(NDP)が反応。自由党が、コロコロ意見を変えるのは常套手段と批判した。

 HSTとは物品サービス税(GST)と、PSTを融合させた消費税制度。BC州では、2009年の選挙時に導入しない、と当時の自由党ゴードン・キャンベル党首が約束したにもかかわらず、政権を取った後に導入を発表。その後、選挙前から連邦政府と導入を話し合っていたことが明らかになり、キャンベル州首相が辞任する結果となった。

 その後、クラーク党首が誕生。住民投票でHST廃止が決定し、現在のGSTとPSTに戻った。HSTでは、GSTでは課税対象となっているが、PSTでは免税となっている物品に対しても課税対象となるため、消費者の税負担が大きくなる。その代わり、ビジネス側の税負担が軽減されることから税負担の移行との批判が上がった。

 

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。