2017年9月7日 第36号
ジャスティン・トルドー首相は9月3日、北朝鮮の核実験を非難する声明を発表した。北朝鮮の核実験やミサイル発射は近隣諸国や国際社会の安全を脅かすと非難。国連には北朝鮮への核拡散防止強化策を講じるよう要求した。
カナダは韓国や日本、アメリカなどの同盟国と引き続き協力していくと語ったが、カナダ政府が実際にどのような形で関わっていくのかは明らかにしなかった。
国内ではこの事態を受け、アメリカの北米ミサイル防衛シールドに参加すべきとの声があがっている。これについてトルドー首相は現在の時点で参加する意思がないと語っている。
アメリカは以前カナダに参加するよう呼びかけたが、当時のポール・マーティン自由党政権は2005年に参加しないことを決定。その後保守党が政権になっても、スティーブン・ハーパー政権も、これについては一度も議論することはなかった。
2017年9月7日 第36号
セクシャルハラスメントで訴えられている連邦自由党議員が離党したことが9月1日分かった。離党したのはアルバータ州カルガリー・スカイビュー選挙区のダーシャン・カン議員。この数日前から捜査によるストレスを理由に医療休暇中だった。
カン議員は、自身の事務所の女性スタッフに対してセクシャルハラスメントを繰り返していたとして訴えられていた。さらに8月30日には被害者の父親が、カン議員が口止め料10万ドルを提示してきたことを公表。31日には2人目の女性被害者が名乗り出た。その数時間後、カン議員は離党している。
ジャスティン・トルドー首相は1日、訪問中のサスカチワン州サスカトゥーン市で会見し、カン議員の申し出を尊重すると述べた。
カン議員については、セクハラ問題が浮上した時から党としての処分をどうするのか、トルドー首相への質問が記者から会見の度に相次いでいた。首相は国会に設置された独立調査委員会の調査結果を待って判断すると語っていた。
カン議員は、委員会の公平な調査を期待するとの声明を1日発表した。同議員は訴えについて完全に否定。離党の理由も無実を明らかにするためとし、今後この件についてはコメントを控えるとしている。
2017年9月7日 第36号
ブリティッシュ・コロンビア州ケローナで9月6日に開催される自由党党大会を前に、前日に現地入りしたジャスティン・トルドー首相が消防隊員たちを激励した。
BC州で続く史上最悪の山火事の消火活動にあたっている消防隊員たちと面会し、現場の状況などを聞いた。
党大会に出席する閣僚などはすでに前日からBC入り。ビル・モルノー財務大臣や、ラルフ・グッデイル公安・非常時対応準備大臣、キャロリン・ベネット先住民・北方大臣、ジェーン・フィルポット先住民サービス大臣など、バンクーバーで州政府や関係者との会談を行った。
2017年9月7日 第36号
自由党政権ビル・モルノー財務相は9月5日、訪問中のブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー市で記者会見を行い、中小企業を対象にした税制改革について改めてその必要性を強調した。
記者会見の前に中小企業オーナーとの話し合いを持ったモルノー財相は、意見として今後の参考とするが、税制改革を撤回するほどの意見はなかったと語った。
モルノー財相が主張する中小企業税制改革は、高額個人所得者が会社を設立し、税金の支払いを逃れているため、こうした税の抜け道を防ぐためのものとしている。
これはカナダの中小企業法人税が低いことを利用した免税方法で、設立した中小企業に家族の名前を入れ所得を分配し、低い税金ですましているというもの。
モルノー財相は、法人税が減税され高額個人所得者への所得税が引き上げられて以降、こうした傾向が過去15年続いていると説明した。さらに起業して免税対策をとれる国民とそうでない国民と2種類の国民を作り出している原因とも語り、政府として対策が必要と語った。
しかし中小企業オーナーからは反発の声が上がっている。会社を辞め起業するリスクを負っている上に、企業で雇用されているほど将来的な保証が大きいわけではないと反論。多くの中小企業オーナーは家族を戦力として雇用している場合が多く、そうした中小企業にとっては死活問題と危機感を募らせている。
今回の税制改革は7月に提案され、調査期間は10月2日に終了する。モルノー財相とバーディッシュ・チャガー中小企業・観光大臣は、今回の税制改革についてカナダ横断ツアーで意見を聞いている。
2017年9月7日 第36号
ノバスコシア州中部の村、ファルマスにある一軒家の地面が3日未明に突然陥没し、家全体が傾いた。
陥没が起こったのは午前4時ごろ。就寝中だった家族は大きな音を聞き、何者かが侵入してきたのではと思ったと、取材に話している。
陥没した場所は、二階建ての家の玄関部分から、右に隣接するガレージにかけて。このため家全体がガレージ側に向かって傾き、レンガ造りの外壁にはひびが入っているのが確認された。損傷具合を検査した担当者は、けが人が出なかったのは幸いだったと語っているが、他に2つの陥没があることを発見、この家全体がダメージを受けているとして、数日中に取り壊すことを決定した。
また家族が家の中に戻ることが許可されなかったため、中に残してきた所持品を回収できるのは家が取り壊されてからとなってしまった。
陥没の原因は調査中だが、隣接する家には影響は出ていないという。