2017年9月7日 第36号
ブリティッシュ・コロンビア州ナナイモに住むアン・ラデリートさんは10年前、非ホジキン・リンパ腫と闘っていたが、余命6カ月と宣告された。彼女はこの時までに3年間の化学療法を行ってきたが、効果はなかった。がんはすでに血液や骨など体中に蔓延していた。
そんな中、ラデリートさんは幹細胞移植療法に望みを託した。幸運なことに、90パーセントの適合率を持つ提供者がドイツにいることが判明、この場合の成功率は70パーセントと見積もられた。
そして移植手術から10年、この夏55歳の誕生日を迎えたラデリートさんに、特別なゲストがお祝いに駆け付けた。それは、彼女に幹細胞を提供したドイツ人、ニッキー・ブッヒナーさんだった。自分が人の命を救う手助けができたことをとてもうれしく思うと話すブッヒナーさん。またラデリートさんも、誕生日を迎えた朝、ニッキーがいなければ今の自分は存在しなかったかもしれないと思うと、感慨深いものがあると取材に語っていた。
移植手術後2人は文通は続けていたものの、実際に面会するのは、この日が初めてだった。2人とも、ハグをしたと同時に涙が止まらなかったと話していた。