2018年8月9日 第32号
激しく、かつ全身を襲う急性アレルギー反応のアナフィラキシー。発症の際、医師の治療を受けるまでの間、この症状を一時的に緩和する緊急補助治療剤(アドレナリン自己注射剤)として普及しているエピペンが、供給不足に陥っている。
エピペンの製造元であるファイザー・カナダは今年初め、社内での品質検証プロセスの改善と、サードパーティーからの材料供給不足が重なったことで、製品の供給に支障をきたしていることを明らかにしていた。
現在のところファイザーでは8月上旬に出荷予定の製品を検品しているが、このプロセスによって遅れが生じていると、同社では説明している。
カナダ保健省は、8月初旬の出荷が店頭に行きわたれば、品数に制限はあるものの、店頭からエピペンが全くなくなるような事態は避けられるとみている。それでも、今年初めから続いてきた受注残を解消するには数カ月かかるだろうと、同省はメディアに電子メールで回答している。
アレルギーを持つ人々をサポートしている団体、カナダ食品アレルギーによると、ここ何カ月間の間は、薬局を何件か回れば手に入ったエピペンが、最近では全く店頭から姿を消しているという。エピペンを必要としている人にとってエピペンは命にかかわる治療薬であり、今の状況は不便というレベルを超え、憂慮すべき段階にきていると取材に答えている。
2018年8月9日 第32号
ノバスコシア州南端、米メイン州との国境に近いファンディ湾で7月30日、オレンジ色の浮き(ブイ)を引きずりながら泳いでいるタイセイヨウセミクジラが目撃された。
絡まった漁具のロープをほどこうとクジラの追跡が開始されたものの、霧の発生によって7月31日には、いったん捜索は打ち切られた。1日になってカナダ漁業海洋省が捜索機と、対岸のノバスコシア州ニューポートからボートを出動させ、捜索を開始した。また近くのキャンポベロ島を拠点にクジラの保護活動をボランティアで行っている、キャンポベロ・クジラ救助チームが、クジラ発見後すぐにロープの撤去に入れるよう、待機していた。
そして5日午後、このクジラが再び発見されると救助チームが出動、絡まっていた浮きとロープの切断、除去に成功した。クジラは頭部を海面に出さなかったため、すべての漁具を撤去できたかどうかは確認できていないものの、以前よりはスムーズに泳げるようになっていると、救助チームのジェリー・コンウェイさんは取材に答えている。
カナダとアメリカ東海岸沖でのタイセイヨウセミクジラの死亡事故は、昨年は18件起きている。その多くはセントローレンス湾で発生、死因は船舶との衝突と漁具の絡み付きがほとんどだった。同セミクジラの個体数は450頭より少く、その中で100頭のみが繁殖に適した年齢のメスだと推測されている。
2018年8月9日 第32号
アルバータ州バンフ国立公園内にある炭鉱町の史跡から、当時の生活をしのぶ展示物として飾られていたランタンが盗まれ、連邦警察(RCMP)が犯人に対し、もとに戻すよう、呼びかけている。
盗まれたのは、1900年代の炭鉱夫用ランタンのウルフ・フレーム・セーフティ・ランプ。このランタンが置かれていたのは、ミネワンカ湖の近くのローワー・バンクヘッド。今はゴーストタウンとなっているが、バンフの歴史を知る上で重要な史跡だ。カナダ公園局は、ここでハイキングを楽しみながら在りし日の炭鉱町の姿を味わってもらうと、セルフガイドの遊歩道を整備している。
その中で、かつて炭鉱夫が坑道に入る前にランタンを受け取る場所となっていたのがランプ・ハウス。今では屋根は抜け落ち扉も失われ、四方の壁だけが残っている状態だが、この小屋の由来を示すためとして、当時使われていたランタンを、公園局が炭鉱夫の子孫から借り受け展示していた。
RCMPは、このランタンの価値は金銭的なものより歴史的、および感情的なものであり、盗んだ人は速やかに最寄りのRCMPの分署に届け出るよう、呼びかけている。
2018年8月9日 第32号
オンタリオ州トロント市の西、人口71万人ほどの都市ミシサガ市で7月28日夕方、宝石店に3人組の強盗が押し入ったが、店主が刀を振りかざし追い払った。
覆面をした強盗は、赤いバンを店正面の鉄格子の入ったガラスに体当たりさせ突き破り、侵入してきた。当時店内には店主のバルデフ・マンジャニアさんと妻、そして弟がいた。
強盗の一人がマンジャニアさんの妻に向け拳銃を構えている間、残りの二人がショーケースを次々に叩き割り、中の宝石を奪い始めた。そんな中、マンジャニアさんはシーク寺院から入手していた刀を取り出し、強盗に向かって切りかかっていった。
マンジャニアさんの反撃にあった3人は、表に止めてあった黒い車に飛び乗り、逃走した。けが人は出なかったものの、10万ドル相当の宝石が盗まれた。
同地区を管轄するピール地区警察は、容疑者の行方を追っている。
2018年8月9日 第32号
ブリティッシュ・コロンビア州メープルリッジで2日朝、ローヒード・ハイウェイを猛スピードで走行していた2台のスーパーカーが、スピード違反で捕まった。
巡回中のパトカーが発見したのは、2017年型ランボルギーニ・アベンタドールと、2016年型マクラーレン・675H。パトカーの車載レーダーは、この時のスピードを138キロと記録している。ハイウェイとは言え、一般道との交差点もあるこの道路の制限速度は80キロ。2台は60キロのスピード違反となり、バーナビー市に住む22歳のドライバーには罰金368ドルと、違反点数3点が減点された。またマクラーレンを運転していたドライバーは初心者だった。
2人には過去にもスピード違反で罰金を科せられた前歴があった。車は少なくとも1週間は警察が押収することとなったほか、今回の件は交通監督官に送致されることとなった。交通監督官は、免許取り消しやドライバーに安全運転の再教育を受けさせるなどの権限を持つ。
リッチメドウズ警察では、今年に入り、すでに472件のスピード違反を検挙している。そのうちの約三分の一が、メープルリッジからミッションにかけてのローヒード・ハイウェイで発生しているという。