2018年8月9日 第32号

 ノバスコシア州南端、米メイン州との国境に近いファンディ湾で7月30日、オレンジ色の浮き(ブイ)を引きずりながら泳いでいるタイセイヨウセミクジラが目撃された。

 絡まった漁具のロープをほどこうとクジラの追跡が開始されたものの、霧の発生によって7月31日には、いったん捜索は打ち切られた。1日になってカナダ漁業海洋省が捜索機と、対岸のノバスコシア州ニューポートからボートを出動させ、捜索を開始した。また近くのキャンポベロ島を拠点にクジラの保護活動をボランティアで行っている、キャンポベロ・クジラ救助チームが、クジラ発見後すぐにロープの撤去に入れるよう、待機していた。

 そして5日午後、このクジラが再び発見されると救助チームが出動、絡まっていた浮きとロープの切断、除去に成功した。クジラは頭部を海面に出さなかったため、すべての漁具を撤去できたかどうかは確認できていないものの、以前よりはスムーズに泳げるようになっていると、救助チームのジェリー・コンウェイさんは取材に答えている。

 カナダとアメリカ東海岸沖でのタイセイヨウセミクジラの死亡事故は、昨年は18件起きている。その多くはセントローレンス湾で発生、死因は船舶との衝突と漁具の絡み付きがほとんどだった。同セミクジラの個体数は450頭より少く、その中で100頭のみが繁殖に適した年齢のメスだと推測されている。

 

 

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