2018年8月2日 第31号
カナディアン・センター・フォ・ポリシー・オルタナティブスが7月31日に発表した統計によると、カナダの資産家87家族の所得が、平均的所得の国民1200万人の所得合計とほぼ同額ということが分かった。
カナダに在住の最も裕福な資産家87家族と平均的一般国民の所得を過去17年間調査しているこの報告書では、富裕層と一般国民との所得が年を追うごとに開いていく不公平な状況となっているとしている。
資産家87家族の資産の合計は約2590億ドル、平均的な国民の資産の4448倍で、ニューファンドランド・ラブラドール州、ニューブランズウィック州、プリンスエドワード島州の3州の州民全員の所得を合わせた額2690億ドルとほぼ同額という。
こうした特定の資産家族の所得が、他の一般国民に比べて大きな伸びを示す要因として、カナダに相続税がないことがあると報告書では指摘している。
また2012年から2016年の間の資産家87家族の所得は平均で37パーセント増加、22億から30億ドルに相当するという。
カナダは先進7カ国(G7)で唯一相続税を導入していない国で、遺産税の導入や富裕層優遇税制の廃止などで、こうした不公平な状況は改善できると報告している。