2018年8月23日 第34号
フリークエント・フライヤー・プログラム(FFP)エアロプランを運営するエイミア社が、エアカナダが提示した買収額で合意したことが21日、明らかになった。
カナダ最大航空会社エアカナダは、国内大手金融機関TD銀行、CIBC、クレジット会社ビザ・カナダと共同で、4億5千万ドルを提示していた。
エアカナダは7月下旬、4社で3億5千万ドルの買収額を提示した。しかし、エイミア社は同社が試算するエアロプランの価値よりも低いとして、8月2日の期限日に提示を拒否。少なくとも4億5千万ドルの価値はあると発表していた。
今回の合意についてエアカナダ社長兼CEOカリン・ロヴィネスク氏は、「エアロプラン会員を含め、全ての関係者にとってベストな合意となった」と声明を発表し、エアカナダが2020年の開始を目指している新しい独自FFPへの移行もスムーズにいくだろうと発表している。
エアロプランは、エアカナダのFFPとして創設されたが、2005年に分社。2008年完全に独立、2011年にエイミア社としてブランドの再構築を図った。2017年にはエアカナダが独自FFPを創設するとして、エアロプランとの契約を2020年7月で解消すると発表。しかし今年7月25日に、エアカナダがエアロプランの買収に乗り出し、今回3回目の提示額で合意に至った。
しかし問題も残っている。今年8月2日にエアカナダの提示を拒否した直後から、エイミア社は、ポーター航空、フレア航空、エアトランザット航空と国内の航空会社3社との合意を相次いで発表。2020年7月にFFPでポイントを共有することを発表したが、今回のエアカナダとの合意で、これら3社との合意が疑問視されている。
2018年8月23日 第34号
ブリティッシュ・コロンビア州のヘリコプターが、地球周航最速記録を樹立した。地球周航とは、ある地点と、地球上のその裏側にあたる地点(対蹠地)の両方を通過する経路で、地球を一周すること。その間に赤道を少なくとも2回、横切ることになる。
対蹠地関係にある2地点を通過したことが確認できるよう、どちらも陸地である組み合わせを選ぼうとすると、中国や東南アジアの一部と、その『地球の裏側』にあたる南米のある地域の組み合わせのほか、選択肢はそれほど多くない。
この制約の多い地球一周に挑戦したのは、同州のリゾート地ウィスラーに住むヘリコプターパイロット、ルーベン・ディアスさんと、副操縦士を務めたヘリコプター飛行教官のミシャ・ゲルプさん。この挑戦を『エピック・ワールド・ツアー』と名付けた彼らが、ウィスラーのヘリポートから飛び立ったのは5月1日のことだった。
97日間のツアーでは、様々な困難に直面した。アラブ首長国連邦からパキスタンに向かう際には、発行されるはずだった入国許可証が予定日までに発行されず、待機していた同連邦の首都ドバイのホテルで、ツアー中止を覚悟したこともあった。別ルートを取った場合、彼らがすでに通過した最初のチェックポイント(南米コロンビア)の対蹠地となる、インドネシア内の二つ目のチェックポイントを通過するまでに時間がかかり過ぎ、世界記録の122日を破ることは不可能だったからだ。彼らは挑戦をあきらめ、トルコ、ロシア経由で引き返すつもりでいた。
そんな絶体絶命な状況を、ホテルの従業員にも打ち明けていたディアスさん。実はこの時、同ホテルにはパキスタン政府の高官が滞在しており、この従業員がこのことを持ち掛けていた。そして、この高官が電話を一本かけることを約束した翌日、入国許可がおりた。
しかしこれは、97日間、飛行距離6万キロメートルを超えるツアーの中で起こった、様々な困難の一つに過ぎなかった。そんな挑戦を成功に導いたのは、ツアーをスムーズに継続できるよう、たゆまない支援を行ってきたサポートチームのおかげだと、ディアスさんは語っている。
そして今月5日、再び出発点のウィスラーヘリポートに戻ってきたディアスさんとゲルプさん。ツアーを無事終了できたことは、とても意味深いと取材に語るディアスさん。地球上のありとあらゆる環境を飛んできて、得られたものは何だったかという質問に対しては、42カ国の空を飛んできて確信をもって言えることは、この地球上で一番美しい場所はBC州で、特にウィスラーは格別だと、2人は口をそろえて答えていた。
2018年8月23日 第34号
ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー近郊で17日、ハイカーが連れていた犬が若いクマに襲われ、殺された。
事件が起きたのは、ノースバンクーバー市のリン・ヘッドウォーター公園内の、リン・ループ・トレール。渓流沿いにリン渓谷を往復する約5キロのコースは、休日には多くの人がハイキングを楽しむ人気のルート。
ペットのダックスフンドと遊歩道を歩いていた女性の目の前に、突然クマが現れた。距離は1〜2メートルだったという。クマは彼らを追い回し、ついにはダックスフンドに襲い掛かった。女性は他のハイカーに助けを求め、このハイカーが持っていた笛でクマを追い払った。その隙にダックスフンドを遊歩道入り口の駐車場まで連れ帰ったものの、犬は死亡した。
自然保護官がこのクマの行方を追っているが、人に慣れており、エサをねだって数メートルまで近づいてくるような行動は、人間にとって危険であると指摘している。またペット連れのハイカーに対しては、犬に引き綱をつけなければならないのか、はずしてもいいのか、看板の表示に従うよう呼び掛けている。そのうえで、クマやクーガー、コヨーテといった野生動物に遭遇した場合、ペットは引き綱につなぐか、小さい場合は抱きかかえるようアドバイスしている。また自分自身をできるだけ大きく見せ、動物に対し立ち去るよう叫ぶことと、動物の逃げ道を残しておくことも重要だと話していた。
またメトロバンクーバー地区のサラ・ラスク広報官は、公園内には野生動物が生息しており、自分たちは彼らと公園を共有していること、また予期せず彼らを驚かすこともあることを念頭に置いて、公園を利用してもらいたいとコメントしている。
2018年8月23日 第34号
ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー島東岸中部の町クオリカム・ビーチ付近で最近、全身が白いワタリガラス(Raven)が目撃された。
撮影に成功した地元アマチュアカメラマン、マイク・イップさんは2007年以来、こうした白いワタリガラスを目撃、撮影してきた。現役時代は数学教師だったイップさんは、これまでに3冊の鳥の写真集を出している。彼によると、この鳥の噂はそれ以前にもゴルファーたちから聞いていたという。また彼によると、この付近に住み続けている正常な(黒い)ワタリガラスのつがいが毎年、1〜2羽の白いヒナを生んでいるとのこと。ワタリガラスの寿命は短くとも20年といわれ、またつがいは生涯添い遂げるという。
しかし2013年に一羽、2014年にも別の一羽を目撃した後、白いワタリガラスは全く姿を現さなくなり、イップさんは親鳥のどちらかが死んだのではないかと考えていた。今年、ほぼ4年ぶりに目撃された白いワタリガラスは、以前の白いワタリガラスと同じ親から生まれているものとみられている。
この地域で見られてきた白いワタリガラスは、アルビノ個体(色素欠損のために白色となった個体)ではなく、何らかの染色体異常によって本来の色が薄められたものとみられている。そのため全身白色だけではなく、クリーム色やカプチーノ色、または白のまだら模様の個体も生まれる可能性があると、米ワシントン州大学で博士課程に在籍するカエリ・スウィフトさんは説明している。
BC州大学内にあるビーティ生物多様性博物館の法医学鳥類学者でキュレーターのイルディコ・ザボさんによれば、この染色体異常により、3種類のうち2種類のメラニン色素(ユーメラニンとフェオメラニン)のどちらかの生成が阻害され、結果として極めて色の薄いワタリガラスになったのだろうと説明している。
いずれにせよ、染色体異常による白いワタリガラスは極めて珍しく、イップさんによると30年以上前に同州北部のハイダグワイの件や、イギリス・デュラム地方での三つ子の白いワタリガラスの報告があるぐらいだという。
BC州はワタリガラス以外でも白色動物の報告が多い。中部海岸域に生息するブラック・ベアの亜種になる白いカーモード・ベア(スピリット・ベア)のほか、同島中部の都市ナナイモ沖のニューキャッスル島ではブロンド色のアライグマが見つかっている。
2018年8月23日 第34号
アルバータ州南部の都市レスブリッジのハンバーガーチェーン店で今月初め、誤って洗剤が混入したカフェラテが提供された。
同地のマクドナルドでカフェラテを注文したのは、妊婦のサラ・ダグラスさん。一口飲んだ瞬間に焼けるような痛みを口中に感じたという。舌はしびれを感じ、口の中全体がマヒしたようだったと、ダグラスさん。
すぐ店に戻ってこのことを伝え、店員がカフェラテのサーバーを確認したところ、コーヒーではなく洗剤の入った容器が接続されていた。店のオーナーはダグラスさんに謝罪、また彼女には目立った健康被害はなかったものの、この一件は中毒管理センターに通報されアドバイスが行われた。
なぜ洗剤容器が接続されたままの状態で、カフェラテが提供されたかについては、アルバータ州健康局が調査を行っている。