2019年8月22日 第34号

 アルバータ州カルガリー市でLGBTQコミュニティーを支援する虹色横断歩道に、差別的な言葉が落書きされているのが18日、見つかった。先月虹色に塗られたスティーブン・アベニューの横断歩道では、今月14日にもヘイト落書きが見つかり修正されたばかりだった。

 この落書きの写真をツイッターに掲載した男性は、一緒に横断歩道を渡っていた友達が気づいて教えてくれて、「また引き返して確認して見た」とメディアに答えている。せっかく社会でLGBTQコミュニティーを支援しようと盛り上がっている中で、こういう行為を見るのは「すごく残念」と語っている。

 落書きはすでに消され横断歩道は元通りになっている。アルバータ州ではカルガリー市以外でも、毎年どこかでこうしたLGBTQコミュニティーへの差別的落書きが見つかっている。

 今回の落書きについて警察はヘイトクライムによる器物破損として捜査していると発表している。

 カルガリー市では9月1日にプライドパレードが開催される。

 

2019年8月22日 第34号

 今年2月に発覚したジャスティン・トルドー首相と首相事務所スタッフによる、元法務相ジョディ・ウィルソンレイボールド議員へのSNCラバラン社を巡る圧力について、14日倫理委員長が倫理違反に当たるとの判断をした報告書を発表した。

 ケベック州にある大手ゼネコンSNCラバラン社は現在、贈賄容疑で裁判を控えているが、首相と首相事務所は裁判を回避し司法取引とするようウィルソンレイボールド元法務相に圧力をかけたことが明らかになっている。

 この行為が「利益相反」に当たると倫理委員長マリオ・ディオン氏が判断した。

 自由党にとってケベック州は政権維持を果たせるかどうかのカギとなる州。トルドー首相はモントリオール出身でもあり、ケベック州を優遇するために司法取引にするよう圧力をかけたと判断された。

 これに対し15日に記者会見したトルドー首相は、「報告書内容に同意できない点もあるが、全責任を負う」と語った。ただ倫理違反と判断されたことについての謝罪はなく、「雇用を守るための政策に謝る必要はない」とこれまでの主張を繰り返した。

 SNCラバラン社は裁判で有罪となれば9000人の雇用に影響すると首相らを説得していた。

 

2019年8月22日 第34号

 元新民主党(NDP)ピエール・ナンテル議員が今年10月の総選挙にグリーン党として出馬することが分かった。

 19日にはグリーン党エリザベス・メイ党首とケベック州モントリオールで記者会見し、ケベック州で環境問題を訴えていくと語った。

 ナンテル議員は2015年に同州モントリオール南部ロンゲール-セント・ヒューバート選挙区でNDP候補として出馬し、初当選。2015年はオレンジ旋風が吹き荒れたNDPにとっては過去最高の議席数を獲得した年でもあり、特にケベック州で圧勝した。

 2015年選挙ではジャスティン・トルドー氏の自由党がケベック州で圧勝したが、NDPのナンテル議員は辛うじて当選。その差は次点自由党候補と703票差という僅差だった。3番手だったケベック連合党もすぐそこに迫っていた。

 そして3期目を目指すこの選挙では、NDPが全国的に厳しい戦いを強いられることが予想されている。その中でも最も厳しいとされる州がケベック州。ジャグミード・シング氏が党首に就任して以降、ケベック州ではNDPの支持率が下がり続けている。

 一方で最近、支持率が急上昇しているのがグリーン党。今秋の選挙では環境問題が大きな争点の一つになることから、グリーン党が台風の目になるとみられている。

 しかもケベック州は保守派の州政府ですら、環境問題だけは最優先事項に掲げるなど、全国でも環境問題に最も熱心な州。自由党、保守党、ケベック連合と競合する中でNDPでの当選は、ほぼ絶望的と判断したのではとみられている。

 記者会見でナンテル議員は、「環境問題を真剣に考えているなら、自由党支持者だろうと、保守党だろうと、ケベック州分離派だろうと、今年の選挙ではグリーン党に投票すべきだろう」と語った。

 グリーン党は現在、ブリティッシュ・コロンビア州での補欠選挙で当選した議員とメイ党首の2議席。今年の選挙でどこまで伸ばせるか注目されている。

 

2019年8月22日 第34号

 ウエストジェットでイタリアへ新婚旅行を計画していたカップルが通達なしにフライト変更を余儀なくされたとして運輸局に訴えた。

 アルバータ州エドモントン市に住むウィリアムソンさんらは7月22日にエドモントン空港から出発する予定で空港に行き、搭乗手続きも済ませセキュリティを通りゲートに着くと、予定していたフライトに座席がないと言われたという。

 ゲートのウエストジェット職員によると、前夜に機材を変更したため座席が確保できなかったと告げられ、5時間後に出発する別の便に変更されイタリアに着いたのは予定より6時間遅れだったとウィリアムソンさんがメディアに語っている。

 しかし事前にウィリアムソンさんらにウエストジェットから機材変更によるフライト変更の通達はなく、これがカナダ運輸庁が今年7月15日から新たに導入した航空利用者保護規則(APPR)に違反する可能性があるのではないかと主張している。

 運輸庁が定めた新規則では、航空会社側が通達なしに「座席確保」に失敗し目的地に6時間から9時間遅れた場合には、1人900ドルの補償金を請求できるとなっている。

 しかしウエストジェットは、ウィリアムソンさんらが前日にエアマイルを通してチェックインしているため、事実上そのチケットは「座席確保」の対象外となり、900ドルの補償金請求対象とはならないと主張している。新規則では、決められた時間にチェックインして「座席確保」した乗客の数よりも飛行機の座席数が少ない場合に補償対象となると定められている。ウィリアムソンさんは125ドルのバウチャーを提案されたと語っている。

 運輸庁によると、新規則が導入されてからこれが調査される初めてのケースで運輸庁の結果に注目が集まっている。

 

2019年8月22日 第34号

 クリスティア・フリーランド外相は18日、欧州連合(EU)外務・安全保障政策上級代表フェデリカ・モゲリーニ氏と連名で声明を発表、両者は香港の自治権を支持し、香港住民が平和的に集会を開く権利を支持すると表明した。

 また暴力的な行為が増えていることに懸念を示し、状況が悪化しないような早急な対応が必要との認識を示した。

 これに対して翌日に在カナダ中国大使館が声明を発表、フリーランド外相に内政干渉だとして香港での出来事に対して「カナダはその言動に注意すべきだ」と釘を刺した。

 フリーランド外相は14日には、数日間におよび香港国際空港が閉鎖されたことを受けて、香港での状況に注意しながら不測の事態に備えて在香港カナダ人への支援を準備していることを明かしている。

 

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