2019年8月22日 第34号
今年2月に発覚したジャスティン・トルドー首相と首相事務所スタッフによる、元法務相ジョディ・ウィルソンレイボールド議員へのSNCラバラン社を巡る圧力について、14日倫理委員長が倫理違反に当たるとの判断をした報告書を発表した。
ケベック州にある大手ゼネコンSNCラバラン社は現在、贈賄容疑で裁判を控えているが、首相と首相事務所は裁判を回避し司法取引とするようウィルソンレイボールド元法務相に圧力をかけたことが明らかになっている。
この行為が「利益相反」に当たると倫理委員長マリオ・ディオン氏が判断した。
自由党にとってケベック州は政権維持を果たせるかどうかのカギとなる州。トルドー首相はモントリオール出身でもあり、ケベック州を優遇するために司法取引にするよう圧力をかけたと判断された。
これに対し15日に記者会見したトルドー首相は、「報告書内容に同意できない点もあるが、全責任を負う」と語った。ただ倫理違反と判断されたことについての謝罪はなく、「雇用を守るための政策に謝る必要はない」とこれまでの主張を繰り返した。
SNCラバラン社は裁判で有罪となれば9000人の雇用に影響すると首相らを説得していた。