2019年9月5日 第36号

 連邦新民主党(NDP)にとって今年10月の総選挙は厳しい戦いになると予想されているが、ケベック州に続きまたもグリーン党への党替えが起こった。

 今回はニューブランズウィック(NB)州。2018年NB州選挙でNDP候補として出馬した党員14人が今度の連邦総選挙でグリーン党を支持すると9月3日に発表した。

 東海岸州では州議会でグリーン党の勢いが増している。NBもその一つ。昨年の選挙ではグリーン党が3議席を獲得した。今回の党替えに連邦レベルで勢いを増すエリザベス・メイ党首が率いるグリーン党に将来性を見出したと説明している。

 ただ14人がグリーン党として連邦総選挙に出馬するかは分かっていない。グリーン党はすでにNB州全選挙区のうち半分で候補者を擁立している。

 一方NDPはNBだけではなくプリンスエドワード島(PEI)州でも、まだ一人の候補者も擁立していない。NDP広報は近いうちに候補者を発表するとしているが、公式な選挙戦突入はもう数日後に迫っている。

 東海岸州ではほぼ全滅の様相を呈しているNDP。この日は党のスローガンをようやく発表したばかり。残り6週間しかない選挙戦期間で、これから盛り返せるか厳しい状況となっている。

 

2019年9月5日 第36号

 「カラスのカナックが行方不明」と嘆いているのは、自称カナックの親友ショーン・バーグマンさん。8月30日から帰って来ないと9月2日に投稿したフェイスブックで語っている。

 カナックはブリティッシュ・コロンビア(BC)州バンクーバー市在住で事件現場に現れてはナイフを盗んでいく姿が人々の注目を浴び有名になった。今ではすっかり人気者で、バーグマンさんはカナックのSNSアカウントも作ったほど。

 バーグマンさんによると、カナックはこの2年間一度も2日以上帰ってこなかったことはないという。つがいのキャッシャーも寂しがっているとほとんど涙声で語っている。もし誰かカナックを捉まえたのであれば、放してほしいと訴える。カナックの足にはオレンジとメタルの輪が付けられているという。

 もし見かけたならぜひ連絡してほしいと協力を要請している。

 

2019年9月5日 第36号

 アップル社が6月に発表した同社製パソコン、マックブックプロ15インチのリコールを受けて、航空会社や国・地域がリコール対象となったコンピュータの持ち込み禁止、もしくは制限を始めている。

 アップル社は2015年9月から2017年2月までに販売したマックブックプロ15インチのバッテリーが過熱する不具合が見つかったとして、今年6月にリコールを発表。対象製品はバッテリー部分が膨れたり発火したりする可能性があると説明している。

 これを受け、アメリカ連邦航空局(FAA)は今年8月に対象製品の、貨物、旅客の両方で航空機への持ち込みを禁止した。

 これまでに持ち込みを禁止した航空会社の中には、カナダのエアトランザットも含まれている。アメリカの航空会社およびアメリカを離発着する航空会社はFAAにより持ち込み禁止、欧州連合では電源を切り飛行中の使用を禁止、カンタス航空はマックブックプロ15インチの預け入れ荷物を全面禁止、機内持ち込みは電源を切ることで持ち込み可、シンガポール航空は預け入れ、持ち込みともに禁止としている。

 対象製品はアップル社ホームページで、各航空会社の対応は航空会社ホームページで確認を。

 

2019年9月5日 第36号

 ブリティッシュ・コロンビア州ラングレーにあるスケートボードパークをカーソン・クリメニ・メモリアル・スケートパークに改名しようというオンライン署名運動が8月30日から始まっている。

 この公園は今年8月7日、14歳のカーソン・クリメニさんが最後にスケートボードを仲間と楽しんでいたとされる場所。しかし、その数時間後とみられる時間に、クリメニさんは近くのテニスコートで倒れている姿が発見され、病院に運ばれたが死亡した。

 その後、クリメニさんが、このスケートボードパークで薬物摂取による症状で苦しんでいる姿を撮影した動画がSNSに投稿された。そこでは苦しんでいるクリメニさんを見て笑っている10代の少年たちが映っていたという。映像からはエクスタシーといわれる薬物で知られるMDMAを多量に摂取していた可能性が高いのではといわれているが、連邦警察(RCMP)は詳細を明らかにしていない。クリメニさんの父親によると薬物に手を出す子供ではなかったという。

 クリメニさんの葬儀は8月29日に行われ、翌日からオンライン署名活動が始まっている。

 

2019年9月5日 第36号

 保守党アンドリュー・シェア党首は8月29日、妊娠中絶の是非をめぐる議論を再開する意思がないと改めて強調した。

 伝統的に保守派は妊娠中絶には反対の立場を取っている。アメリカでは選挙で争点となることもあるが、カナダでは概ね国民から受け入れられているため、選挙の争点になることは現在ではほとんどない。

 しかし、最近になって自由党議員の一人が、保守党が総選挙で政権交代を果たした場合、妊娠中絶に制限をかける法案の提出を内密にシェア党首が計画していると批判したため、改めて保守党党首としての見解を迫られた。

 さらに先月には自由党ラルフ・グッデイル公安相が突然、シェア党首が同性婚に反対するスピーチをしている映像をSNSに投稿。2005年当時の映像を選挙前のこの時期に投稿したことに非難の声も上がったが、シェア党首はメディアから説明を迫られた。

 これについてシェア党首は「この問題はすでに決着がついたことであり、法的に認められている」と述べたが、自身が同性婚に賛成する立場であるかについては言及しなかった。シェア党首は、一連の自由党からの自分に対する批判は、自由党が自分たちの政策ミスから有権者の目をそらすための策略と自由党を批判した。

 カナダでは2005年7月に同性婚が合法化されている。

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。