2019年9月5日 第36号
ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー市では、8月31日の国際薬物過剰摂取啓発デーに合わせて、薬物に関する政策の重要性を訴える映像を公開した。
BC州特にバンクーバーでは、薬物中毒による死亡者が年々増加傾向にある。BC州では2012年から薬物、特にフェンタニルの過剰摂取による死亡者が約4千人に上り、BC州政府は2016年に健康被害に関する緊急事態宣言を発令した。
バンクーバーでは2018年にはフェンタニルの過剰摂取による死亡が全体の薬物中毒死亡者の87パーセントを占め、2015年から25パーセントも増加しているという。
ケネディ・ストゥワート市長は、こうした状況から市だけでなく、州政府、連邦政府と連携して、さらなる薬物中毒による死亡者数を増加させない対策が必要と訴えた。8月後半にはジャスティン・トルドー首相がバンクーバーを訪問し、ストゥワート市長と会談。改めて連邦政府の協力が必要と話したと語っている。
薬物中毒者などを支援する団体は、法整備の重要性を指摘する。特に安全な薬物の供給がカギとなると主張。バンクーバーには市が管轄する公的な薬物供給所が設置されているが、今後は供給所だけではなく薬物使用者の非犯罪化なども必要と訴えている。