2019年9月5日 第36号

 大学も新学期を迎える9月。ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー市にあるブリティッシュ・コロンビア大学(UBC)では新学期を前に続々と学生たちが寮に引っ越した。

 その中で注目を浴びたのが「ナノスーツ」といわれるワンルーム式の寮部屋。広さはわずか140平方フィート。その中に、キッチン、バスルーム、ベッド、机を備える。ベッドと机は兼用で、ベッドを収納すると机になるという仕組み。まさしく日本のワンルーム式な部屋の作りとなっている。UBCが公開したビデオでは狭い部屋を収納スペースを利用していかに効率よく快適に過ごすかを新しく入居した3年生の学生が説明している。

 今回のワンルーム式寮部屋は71部屋用意されている。UBCの新しく整備されたバスループの上に設置され、メトロバンクーバー公共交通機関を管轄するトランスリンクがスポンサーとなっている。部屋代は1カ月約700ドル。UBCキャンパス内の1ベッドルームだと、この2倍はするという。

 高騰するバンクーバーの不動産は学生たちの生活にも大きな影響を与えている。今回のワンルーム寮部屋は、学生時代に自分だけのスペースを持ちたいと切望する学生にとっては朗報だ。

 UBCは、この8年間で約5億ドルをかけて約4千人分の学生寮を整備したが、それでも6千人の学生が入居待ち状態と語っている。UBCはカナダで最も多く学生寮を持つ大学で、1万2400人がキャンパス内に住んでいるが、さらに5600人分を増加する予定としている。

 

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