カナダドルは5日、ついに71セントを切り70・91米セントまで下がった。ここまで下がるのは2003年以来12年ぶり。昨年末からさらに下がり1ドル71・73米セントとなった前日をさらに下回った。対日本円でも2012年12月以来の安値となった。

 最大の要因は原油価格が下がり続けていていること。それに加え、天然資源消費大国中国で製造業を中心とした企業業績への不安から、天然資源産業を主要産業とするカナダ経済に対し、大きな影響があるとみられている。

 カナダドルは2015年だけで16パーセントも下落。これは2008年以来の悪い水準で、今年のカナダドルの動向が注目される。

 カナダ銀行は昨年2回に渡り金利を引き下げた。市場はスティーブン・ポロズ総裁が更なる金利引き下げに踏み切るのではないかとの見方も示している。

 

 カナダ政府は、2015年末までに1万人のシリア難民をカナダに到着させると目標を設定していたが、12月31日、移民省は約6千人しか受け入れられなかったと明らかにした。

 ジョン・マッカラム移民相は、達成できなかった分は1月中旬までには達成する見込みで、2月末までに2万5千人という目標はそのまま継続すると語った。

 自由党は選挙期間中に公約として2015年末までに2万5千人を受け入れるとしていた。しかし選挙で圧勝し、政権奪取に成功して実務が始まると、その目標の達成が難しいと早い段階で明らかにし、2015年末までに1万人、2016年2月までに1万5千人を受け入れると難民受け入れ時期を修正した。

 

 昨年の自動車販売数が記録的に好調だったことが、5日分かった。ただ12月の販売台数は前月よりやや少なく、32カ月続いた販売台数増加の記録は止まった。

 好調だったのはトラックや自動車で、SUVが好調だったとしている。理由は、記録的な低金利と原油価格急落に伴うガソリン価格の下落をあげている。

 アメリカのビッグ3では、フィアット・クライスラー自動車が12月の販売数が前年同月比で2パーセント増加、ゼネラル・モータースは12月は前年同月比で3・4パーセント減少したものの、2015年全体では前年比で5・4パーセント増加した。フォード・モーターズは前年同月比で13・3パーセント減、年間では5パーセント減となった。

 地域別ではオンタリオ州とケベック州で好調で、アルバータ州での不調を補っている。

 

 自由党政権が公約に掲げていたマリファナの合法化について、国内で決定しても国際規約に違反する可能性があることが5日分かったと発表した。

 自由党ジャスティン・トルドー首相は、選挙活動中にマリファナの合法化を公約として挙げていた。背景には、マリファナが横行し、違法な栽培がおこなわれていて、取り締まりが追いつかないことがある。

 今回自由党はマリファナの使用や栽培を合法化し、規則を作り、制限を設けることによって、違法なマリファナ売買や栽培を減少させ、犯罪を減らすだけではなく、政府が栽培許可などで栽培者の数を把握することによって、合法的な販売店や栽培業者から税収入も見込めるとの計算がある。

 しかし、国内でもマリファナの合法化については賛否両論あり、有効な解決策が見いだせないでいる。その上、国際規約では、マリファナの所有や栽培は違法とされている。

 もし本気で国としてマリファナの合法化を実現しようとするならば、まだまだ大きな壁が立ちはだかり、それを一つひとつ崩していかなければならないという作業が必要となる。

 マリファナの合法化については全世界的、特に南アメリカではブームとなっているが、アメリカなどは反対している。ただ、アメリカはある州ではすでにマリファナの合法化は始まっている。

 

 テロリストなどの搭乗を未然に防ぐために存在しているリスト「搭乗拒否リスト」に、6歳の男の子の名前があることが4日分かり、物議を醸している。

 男の子の父親によれば、ナショナル・ホッケー・リーグ(NHL)のウィンタークラシックと呼ばれる特別なホッケーの試合を観戦するために、12月31日、エアカナダでボストンに移動しようとしていたところ、執拗なセキュリティチェックにあい、気付いたという。父親はこの時、トロント国際空港で子供の名前がリストに載っている部分を写真に撮り、ツイッターに投稿したところ大きな反響があったようだ。

 テロリストとは程遠い6歳の少年がリストに含まれていた理由として、宗教的と倫理的背景のせいではないかと父親は話している。男の子の名前は「イスラム」という。イスラム教徒でもあり、これが6歳の男の子がリスト入りした理由とみている。少年も、父親も、カナダ生まれでカナダ国籍。

 ラルフ・グッデイル公安相は、この日調査に乗り出すことを約束。詳細が明らかになれば、家族に知らせると発表した。

 

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