マニトバ州の写真家が撮影したホッキョクグマの写真が、2015年の世界の写真トップ50に入選した。
写真の選考を行ったのは、アメリカ・ニューヨークの著名なオンライン出版社マイ・モダン・メット。
マニトバ州スタインバッハの写真家デニス・ファストさんが写したのは、満開のヤナギラン(Fireweed)の中で心地よく戯れるホッキョクグマ。撮影場所はハドソン湾に面した町チャーチルの沖合にある島。
ファストさんは、トップ50に選ばれたことに驚くとともに、感謝していると取材に話している。
彼はチャーチルの自然案内をするガイドとして、映画撮影スタッフを連れてこの島のキャンプを訪れた。そこで彼は、ヤナギランのピンク色に埋め尽くされた草原で白いホッキョクグマが無邪気に遊んでいる様子を自分でも撮影。
普段から動物を撮影しているファストさんは、その一枚一枚に単なるスナップショット以上のものを求めているという。寝転がって足をばたつかせたりして、遊びに集中しているように見えるホッキョクグマも、実はその目は常に撮影しているファストさんを気にしていた。そうしたクマとのアイコンタクトが、被写体とつながった作品になると語っている。
その一方で、そうした作品のためにはリスクも伴う。一行の滞在場所は電気柵で囲われていたが、撮影のためには柵の外に出なければならないことも。実際、今回選ばれた写真はそうやって撮られた。ただ、不必要に動物を刺激しないように十分な距離をとることには細心の注意を払っていると、ファストさん。
それでも夏の間は、こうした動物たちの愛らしい姿を捉えるには絶好のシーズンだと語る。この時期ホッキョクグマは獲物に偶然出くわしでもしない限り攻撃的ではなく、ほとんどくつろいでいる。それが10月を過ぎ氷の季節が近づくと次第にえさを求めて気性が激しくなるという。
だから夏の間、気分転換をかねて彼らを撮るのは楽しいものだと、ファストさんは取材に答えていた。
(入選したファストさんの写真が掲載されているウェブサイトは、『My』、『Modern』、『Met』、『2015』で検索)