ジャスティン・トルドー首相は18日、ニューブランズウィック州セント・アンドリュー市での閣僚会議後、記者団の質問に応え、カナダドル安と原油価格安がカナダ経済に大きな影響を与えているとの認識を示した。

 この日カナダドルは12年ぶりの安値を更新。原油価格は1バレル28ドルを切るところまで下がった。この事態についてトルドー首相は、「カナダドルと原油価格の下落はカナダ経済にネガティブな影響を与えているのは明らか」と語った。

 それでも公約通り、600億ドルの経済刺激策は実行する予定という。1年目は174億ドルを計画している。自由党政権は、公共交通機関、グリーンプロジェクト、より安価な住宅供給などの社会的インフラに振り分けると計画しているが、「フレキシブルに対応していく」と、トルドー首相はこの線引きは多少変化することも、この日明らかにした。

 ビル・モルノー財務相は14日、カナダドル安と原油安が進行しているからこそ、カナダにとって経済刺激策と減税がより重要な役割を果たすとの考えを示した。「カナダ経済に好影響を与えるような投資が必要だということは疑いようがないし、長期的な好経済へとどう転換していくかを考えながらやっていく必要がある」と語った。

 予算案は今年3月に発表されるとみられている。

 

 ジャスティン・トルドー首相は18日、保守党ローナ・アンブローズ暫定党首と、カナダ経済について話し合いを持つことを明らかにした。

 これはアンブローズ暫定党首から公式に要求したもので、それにトルドー首相が応じた。アンブローズ暫定党首は、「3つのカギとなる経済戦略」を提案するとし、一つは負債の増加を制限すること、二つ目は環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に批准すること、そして世帯の所得分割納税を導入すること。これらはどれも保守党前政権が進めていた政策だった。

 アンブローズ暫定党首はさらに、自由党が選挙期間中に公約した年間約100億ドルの赤字予算となる経済刺激策は、回復する余地がないほど厳しいと指摘した。

 トルドー党首はこの日の記者会見で、アンブローズ暫定党首との話し合いを楽しみにしていると記者団に語った。

 

 その手軽さのわりにはおいしいコーヒーがいれられ、最近人気上昇中の一杯抽出用カプセルを使用した家庭用コーヒーメーカー。

 ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー市は、そのカプセルもリサイクル対象になっていることを、今一度、市民に認識、協力してもらうよう呼びかけている。

 以前はリサイクル不可能だったカプセル。しかし最近の需要増により廃棄される数も飛躍的に伸びたことから、そのリサイクルが検討されていた。その結果、バンクーバー市では、2〜3カ月前のゴミ収集プログラム更新時よりカプセルもリサイクル対象となった。

 しかし、このカプセルをリサイクル回収箱(青色)に捨てる前には、いくつかの処理をしなければならない。カプセルに封をしている膜(通常アルミ箔製)はリサイクル対象ではないので、剥がしてゴミ箱へ。そして、カプセルの中に残っているコーヒー粉末を生ごみ回収箱(緑色)へ捨ててから、プラスチック製のカプセルをリサイクル回収箱(『mixed container』の表示がある青色ボックス)に捨てることとなる。

 なお、コーヒーショップの紙コップ(プラスチックのふたも含めて)もリサイクル対象になっているほか、プラスチック製植木鉢、アイスクリーム容器、紙製牛乳容器、円筒形ポテトチップス容器や空になったスプレー缶もリサイクル対象である。

 ただし、スーパーなどで使われているプラスチック袋(いわゆるお買い物袋)は、こうした市のリサイクルプログラムの対象になってはおらず、各人が回収を受け付けている施設(リターン・イットなど、リサイクル回収センターやロンドンドラッグスなど)に持ち込む必要がある。

 

 ブリティッシュ・コロンビア州ノースバンクーバーを拠点に活動する民間のボランティア救難隊、ノース・ショア救難隊に、新装備が加わった。

 BC州の慈善団体によって寄付された装備のひとつは、オキシレーターの商標名で知られている自動救急呼吸器。これは心肺停止の患者に対しハンズフリーで人工呼吸を行う機器で、動力源は付属の小型ボンベに蓄えられた圧縮酸素のみなので、どのような状況でも使用できる。

 同隊隊長のマイク・ダンクスさんによると、山間部を徒歩で搬送中や、ヘリコプターで空輸中に遭難者に心肺蘇生術を行うのは今までは非常に困難だったが、この機器のおかげで、救助活動に従事する隊員への負担を飛躍的に軽くすることができると、取材に話している。

 なおこの発表は、2年前に急逝した前隊長ティム・ジョーンズさんの命日の数日前に行われた。

 

 カナダを代表する歌手のひとり、セリーヌ・ディオンさんの夫、レネ・アンジェリルさんが14日、咽頭がんのために死去した。享年73歳だった。セリーヌさんが12歳の時からのマネージャーでもあったレネさんは、アメリカ・ネバダ州ラスベガス郊外のヘンダーソンにある自宅で、セリーヌさんほか家族全員にみとられながら息を引き取った。

 さらに、その翌日にはセリーヌさんの代理人が、兄のダニエル・ディオンさんも末期のがんであり、もう長くは持たないと公表。そしてその翌日の17日、レネさんが死去した2日後に、ダニエルさんもケベック州モントリオールの終末期ケア施設で亡くなった。咽のほか、舌と脳にがんが発生していたという。彼はディオン家の14人兄弟の8番目で、享年59歳。

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。