オンタリオ州オタワで1月31日、1時間以内に雪だるまを何個作れるかに挑戦するイベントがあり、見事ギネス世界記録を更新した。

 雪だるまの規定は、高さ3フィート以上、目と鼻、そして腕が2本備わっていること。

 この日TDプレースに集合した市民によって作られた雪だるまは、全部で2069体。以前の世界記録は、2015年2月28日に北海道赤平市で作られた2036体だった。なおこの時は、同地で行われていたテレビドラマ『不便な便利屋』の製作の一環として行われた。

 今回のギネス挑戦を企画したのは、地元イベント企画グループのクランキング・アップ・ザ・キャピタル。12年前に2人の若者が、メンタルケア施設のためのチャリティー・イベントとしてコメディー・ショーを企画したのがその始まりだった。今では1週間にわたるコメディー・フェスティバルとして、同市を代表するイベントのひとつになっている。

 コミュニティの絆を深めるとともに、お金をかけなくても面白いことはできないかと常に考えていると話す、同グループのエグゼクティブ・ディレクターのジョン・ヘルムケイさん。去年、広大なTDプレースが一面雪に覆われているのを見かけ、「何かできないか?」と思い立ったのが、今回の雪だるま作成イベントにつながった。

 また、この時集まった募金は地元の6つのメンタルケア施設への基金に贈られる。

 

 ジャスティン・トルドー首相は26日、モントリオールで記者会見し、パイプライン建設の審査で環境対策を強化すると語った。

 モントリオールでの記者会見は、同市デニス・コデーレ市長との会談後に行われた。同市長は先週、トランスカナダ社が建設を計画しているエナジー・イースト・パイプライン建設に強い反対を表明している。

 エナジー・イースト・パイプライン建設計画は、アルバータ州北部からサスカチワン州、オンタリオ州、ケベック州などを通って東海岸ニューブランズウィック州までオイルサンドを運ぶ、約4600キロメートルにも及ぶ157億ドルをかけたパイプライン建設計画。完成すれば一日110万バレルのオイルサンドを運ぶ。そこからタンカーで海外市場へと輸出する。

 このパイプラインがモントリオールを通るということで、同市市長が建設反対を表明した。経済効果だけでは代えがたい環境的リスクがあると理由を語った。このコデーレ市長の発言に対し、アルバータ州レイチェル・ノトリー州知事やカルガリー市ナヒード・ネンシ市長、サスカチワン州ブラッド・ウォール州知事が反論した。

 これを受け、トルドー首相がコデーレ市長と会談。会談後、同市長はやや口調を和らげ、トランスカナダ社にもう一度計画を練り直すよう語った。

 トルドー首相は、「首相としての自分の責任は、国家プロジェクトにおいて、経済への貢献、環境への配慮、そして国民が一緒になってより良い将来を作り上げていけるかを考慮すること」と述べた。

 同日、環境と持続的開発委員会からカナダエネルギー委員会(NEB)の不適当な承認、監督体制が指摘された。

 そこでトルドー首相はパイプライン建設の承認には、新しい環境規制制度を導入する計画を発表。温室効果ガス排出量なども考慮に入れるとしているが、詳細は後日発表されるという。新制度は、エナジー・イースト・パイプライン建設計画はもちろん、現在NEBで審査中の他のプロジェクト、キンダー・モーガン社のトランス・マウンテン・パイプライン拡張計画にも適用される。

 

 カナダ銀行は20日、政策金利を0・5パーセントのまま据え置くと発表した。昨秋からの急激なカナダドル安を受け、経済刺激策として今回金利を引き下げるのではないかとの予想もされていた。昨年には1月と7月の2回にわたり0・5パーセントずつ金利を引き下げている。

 今回のカナダ銀行の発表に、専門家の意見は賛否が分かれている。この日、カナダドルはやや戻し、1カナダドル69・03米セントで終えた。

 原油価格の急激な下落は昨年からカナダ経済に大きな影響を与えている。この日の発表では、政策金利こそ据え置いたものの、経済見通しについては2016年の国内総生産(GDP)の成長を2・0パーセントから1・4パーセントに下方修正、2017年も2・5パーセントから2・4パーセントに修正した。

 今回の決定についてスティーブン・ポロズ総裁は、据え置きという決定をするのは簡単なことではなかったと語った。もし引き下げていれば、さらにカナダドルが下がっていた可能性もある。ただポロズ総裁は、カナダドル安は、現在のアメリカ経済の需要高から輸出産業にとってはプラスになるとの考えも示した。

 専門家は今回の据え置きについて、カナダ銀行は新政権の予算案発表を待っているのではとみている。昨年11月に発足した自由党ジャスティン・トルドー新政権は、3年間は赤字予算でも経済刺激策を実行する予算案とすることを約束している。

 もし期待通りの予算案でなければ次の発表でも金利引き下げを実行するのではないかとみられている。自由党政権の予算案は、遅くとも3月には発表されると予想されている。

 

 カナダ統計局は22日、昨年12月のインフレ率が上昇したと発表した。要因はカナダドル安による食料品の高騰で、1.6パーセントの上昇となった。

 食料品やガソリン価格など価格変動の激しい項目を除いたコアインフレ率は1.9パーセントで2014年7月以来の低い水準となった。コアインフレ率はカナダ銀行が注目している数字でもある。

 12月の食料品価格は前年同月比で3.7パーセント上昇。生野菜やフルーツの価格が高騰したことによるものと説明した。住宅を含むその他の項目でも軒並み価格が上昇、ただ、ガソリン価格は下落した。

 

 スイスのダボスで開催された世界経済フォーラムに出席していたジャスティン・トルドー首相は22日、同会議に出席していた俳優レオナルド・ディカプリオ氏に対して扇動的な表現は「助けにならない」と苦言を呈したことを明らかにした。

 環境保護活動家として知られているディカプリオ氏は、以前からカナダのオイルサンド産業に対して批判的な意見を述べていた。

 この会議でも20日の気候変動に関する演説の中で、企業の欲望が気候変動の原因になっていて「もうたくさんだ」と発言した。

 この発言に対しトルドー首相は、「アルバータ州もカナダも、昨年新政権が誕生し気候変動問題に対して行動を起こすことを約束している。(原油価格の下落により石油産業が停滞している中)職を失ったり、支援を必要としている家族もある。(ディカプリオ氏の)扇動的表現はそうした家族やカナダの助けにはならないと指摘した」と、晩餐会で反論したことを明かした。また、カナダが環境対策への行動を起こせば、それを一緒に祝うとディカプリオ氏が語ったことも明らかにした。

 アルバータ州を基盤とする保守党前政権は、オイルサンド産業への配慮のため環境問題に積極的に取り組むことをしてこなかった。そのため国際社会からは批判を浴びていた。しかし、昨年11月に政権が交代し自由党政権が誕生。トルドー首相は環境対策に積極的に取り組むことを約束している。また、昨年5月にはアルバータ州でも政権交代があり、進歩保守党政権から新民主党政権へと交代。同州レイチェル・ノトリー州首相も環境対策への積極的な対応を表明している。

 

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