カナダ銀行は20日、政策金利を0・5パーセントのまま据え置くと発表した。昨秋からの急激なカナダドル安を受け、経済刺激策として今回金利を引き下げるのではないかとの予想もされていた。昨年には1月と7月の2回にわたり0・5パーセントずつ金利を引き下げている。

 今回のカナダ銀行の発表に、専門家の意見は賛否が分かれている。この日、カナダドルはやや戻し、1カナダドル69・03米セントで終えた。

 原油価格の急激な下落は昨年からカナダ経済に大きな影響を与えている。この日の発表では、政策金利こそ据え置いたものの、経済見通しについては2016年の国内総生産(GDP)の成長を2・0パーセントから1・4パーセントに下方修正、2017年も2・5パーセントから2・4パーセントに修正した。

 今回の決定についてスティーブン・ポロズ総裁は、据え置きという決定をするのは簡単なことではなかったと語った。もし引き下げていれば、さらにカナダドルが下がっていた可能性もある。ただポロズ総裁は、カナダドル安は、現在のアメリカ経済の需要高から輸出産業にとってはプラスになるとの考えも示した。

 専門家は今回の据え置きについて、カナダ銀行は新政権の予算案発表を待っているのではとみている。昨年11月に発足した自由党ジャスティン・トルドー新政権は、3年間は赤字予算でも経済刺激策を実行する予算案とすることを約束している。

 もし期待通りの予算案でなければ次の発表でも金利引き下げを実行するのではないかとみられている。自由党政権の予算案は、遅くとも3月には発表されると予想されている。

 

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