保守党は次期党首を決める投票を来年5月27日に実施すると19日に発表した。週末にトロントで党首選組織委員会が会合を開き決定した。同委員会は、「日程が決まり投票日まで期間があることで、党員や国民にとって活気のある選挙戦を見せられるだけでなく、立候補者にとってはオープンで公正な選挙戦を行える機会が与えられると思う」と声明で発表した。

 昨年10月の総選挙で、自由党が大勝し、保守党は政権の座を奪われた。その責任を取り、スティーブン・ハーパー前首相が党首を辞任。現在は昨年の暫定党首選で選ばれたローナ・アンブローズ議員が暫定党首を務めている。2006年2月から約10年政権を担ってきた保守党は、党創設時から党首だったハーパー前首相以外に党首を務めたことがなく、次期党首は党にとっては2人目の党首となる。

 その2人目の党首になるべく立候補するのではと予想されているのは、現在のところ10人。リサ・レイト前運輸相。ハーパー前党首が辞任した日からすでに次期党首選に立候補するのではと予想されている。ジェイソン・ケニー前国防相。市民権・移民相などハーパー政権では重要閣僚を歴任した。保守党が基盤を置くアルバータ州選出議員。ケリー・リーチ前労働相・女性の地位担当相。国会議員になる前は小児科医という経歴を持つ。ピーター・マッケイ前法務相。ハーパー政権では常に重要なポストに就き、法務相の前は国防相を務めていた。昨年10月の総選挙には立候補せず辞職。ただ、保守党と合併した進歩保守党の党首を務めていたこともあり、党首選に立候補するために辞職したのではとの憶測も飛んでいる。党員の間で今でも人気が高い。本人は立候補を否定している。トニー・クレメント前予算庁長官、マクシム・ベルニエ前中小企業・観光担当国務相の名前も挙がっている。ミッシェッル・レンペル議員はすでにやる気をツイッターで表している。

 他には、サスカチワン州ブラッド・ウォール州首相の名前があがっているほか、ダグ・フォード前トロント市議、さらには、CBCの経済番組でパーソナリティを務めていたビジネスマンのケビン・オラリー氏も興味を示していると伝えられている。

 6人は元閣僚で、1人はカナダで最も著名なビジネスマンと、すでに党首選への注目が集まっている。選挙戦の詳細は後日決定し、発表される。

 

 ポストメディア社は19日、4都市で発行されている新聞2紙の編集室を統合すると発表した。そのため約90人が失業することになる。

 ポストメディアは、全国主要都市で発行されている大手地方紙のほとんどを傘下に入れているメディア企業。モントリオール・ガゼットやバンクーバー・サンなどの紙媒体の他、オンライン専用メディアでもニュースを発信している。

 今回は、新聞社2社がある4都市での編集室を一つにまとめるため、人員削減するという。ただ新聞社自体は存続し、新聞もこれまで通り発行される。

 今回対象になったのは、オタワ、カルガリー、エドモントン、バンクーバーの4都市。それぞれ、オタワ・シチズン、オタワ・サン、カルガリー・ヘラルド、カルガリー・サン、エドモントン・ジャーナル、エドモントン・サン、バンクーバー・サン、プロビンスが発行されている。

 オタワで12人、カルガリーで25人、エドモントンで35人削減され、トロントではトロント・サンと全国紙ナショナル・ポストがあるため、ポストのスポーツ部門を統合し、5人の人員削減を実施するとしている。バンクーバーでは人員削減はされないものの、早期希望退職を募る。

 ポストメディア社は2014年に、タブロイド紙チェーンのサンをケベック州ケベコワ社から買収。これでトロント・スター紙とグローブ・アンド・メール紙以外のほとんどの英語紙を傘下に収めることになった。しかし、紙媒体での広告収入の減少に加え、オンライン広告も思うように伸びず、買収時に抱え込んだ負債が膨らんでいる。そのため経費削減が急務となっている。

 今回の件を受け、メディア関係者約6千人が加入している労働組合CWAカナダは、1社が英語紙を独占している状況は決してカナダのジャーナリズムにとって好ましいことではないとの声明を発表した。

 

 議会予算事務局は19日、報告書を発表し、2015年第3四半期の1世帯当たりの返済負担率が171パーセントになったと報告した。さらに、今年後半には174パーセントまで上昇すると予測。1990年以降で最も高い水準となっている。またG7の中で最悪の状態とも報告した。

 今回の報告内容は、カナダ統計局が昨年12月に発表した数字とは少し異なっている。カナダ統計局は同期の数字を163・7パーセントと発表している。この数字の違いは計算方法の違いによるもの。ただ、カナダ統計局の数字も過去最高水準であることは間違いない。

 返済負担率はカナダ銀行や他の関係金融機関が注目している数字でもある。カナダ銀行はカナダの返済負担率が高いことに世帯の経済状況が不安定である証拠と警鐘を鳴らし続けている。もし仮に金利が上がるか、大きな経済的打撃を被れば、家庭への影響は避けられず、カナダ経済にも大きな影響が出る。

 返済負担率が上昇している原因の一つは低金利。住宅ローンなどの金利は低く、現在、カナダ銀行は政策金利を0・5パーセントまで下げている。原油価格の急落による影響などで、さらなる引き下げも予測されている。しかし、将来的には5年以内に金利は通常レベルまで引き上げられると予測されており、そうなれば各世帯が危機的状況に陥る可能性もあるとしている。

 

 カナダオリンピック委員会(COC)は13日、労働環境の改善策を発表、前会長が起こしたセクシャルハラスメントのような行為が二度と起こらないよう強化すると発表した。

 COCマーセル・オーブ前会長(68)は、昨年10月3日、会長職を辞任することを発表した。その直接の理由は同委員会の女性職員からのセクシャルハラスメントで訴えられためだが、当時、同前会長は「COCの運営に支障をきたすことを避けるため」と理由を語った。

 昨年9月25日、女性職員の正式な訴えを受け、前会長に対する調査を開始。その1週間後にはさらに女性が訴えたため調査が拡大され、同会長によるセクハラ、もしくは他のハラスメントの被害が広範囲に及んでいることが明らかになった。

 この事件を受け、トリシア・スミス新会長の下、こうした被害者を出さないための強化策を検討。「その時もっと何かできたはずだということは明らか。被害にあった委員会の職員、もしくは委員会以外の人々に本当に申し訳ないと思っている」と語り、「信用を取り戻すのは容易ではないが、がんばるしかない」と環境を改善し、国民の信頼を取り戻していくことを強調した。

 18日には、この件に関連し、さらに3人が解雇されたことが明らかになった。

 今年はオリンピックイヤー。COCが最も重要な役割を果たす必要がある今年、発表した改善策をすぐに実行に移すことを誓った。

 

 二人乗り自動車スマートを使ったカーシェアリングCar2goが、リッチモンド市から撤退することが19日分かった。バンクーバー国際空港、クワントレン・カレッジ、ミッチェルアイランド・スポーツセンターは継続される。

 Car2goはバンクーバー市で導入され大成功した。会員数9万5千人と自動車数1275台は北米最大。指定区域内であれば、駐車可能な道路で駐車やピックアップができ、自動車保険料、ガソリン代込の価格設定も手軽なため、自動車を持つ必要のない都会で人気がある。メトロバンクーバーでは、バンクーバー市の次にノース・バンクーバー市で展開され、2014年にはリッチモンド市でも開始された。

 しかし、リッチモンド市では需要が低いことから撤退へ、ノース・バンクーバー市でも利用指定区域をわずかだが縮小される。実施は2月1日から。

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。