ポストメディア社は19日、4都市で発行されている新聞2紙の編集室を統合すると発表した。そのため約90人が失業することになる。

 ポストメディアは、全国主要都市で発行されている大手地方紙のほとんどを傘下に入れているメディア企業。モントリオール・ガゼットやバンクーバー・サンなどの紙媒体の他、オンライン専用メディアでもニュースを発信している。

 今回は、新聞社2社がある4都市での編集室を一つにまとめるため、人員削減するという。ただ新聞社自体は存続し、新聞もこれまで通り発行される。

 今回対象になったのは、オタワ、カルガリー、エドモントン、バンクーバーの4都市。それぞれ、オタワ・シチズン、オタワ・サン、カルガリー・ヘラルド、カルガリー・サン、エドモントン・ジャーナル、エドモントン・サン、バンクーバー・サン、プロビンスが発行されている。

 オタワで12人、カルガリーで25人、エドモントンで35人削減され、トロントではトロント・サンと全国紙ナショナル・ポストがあるため、ポストのスポーツ部門を統合し、5人の人員削減を実施するとしている。バンクーバーでは人員削減はされないものの、早期希望退職を募る。

 ポストメディア社は2014年に、タブロイド紙チェーンのサンをケベック州ケベコワ社から買収。これでトロント・スター紙とグローブ・アンド・メール紙以外のほとんどの英語紙を傘下に収めることになった。しかし、紙媒体での広告収入の減少に加え、オンライン広告も思うように伸びず、買収時に抱え込んだ負債が膨らんでいる。そのため経費削減が急務となっている。

 今回の件を受け、メディア関係者約6千人が加入している労働組合CWAカナダは、1社が英語紙を独占している状況は決してカナダのジャーナリズムにとって好ましいことではないとの声明を発表した。

 

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