ブリティッシュ・コロンビア州では、自転車盗難の増加に歯止めをかけるためにインターネットを活用した自転車防犯システムを導入するケースが増えている。

 昨年秋にカナダで初めてバンクーバー市警察が導入したのは、アメリカ・オレゴン州ポートランドの会社プロジェクト529が開発した、自転車登録および盗難時の情報シェアソフト。

 この会社を創立したのは、マイクロソフトでゲーム機開発の責任者だったジェームス・アラードさん。自転車の所有者は、このアプリを利用して自分の自転車をオンライン上のセキュリティがかかったデータベースに登録できる。登録方法は簡単で、何枚かの自転車の画像と、その自転車のシリアルナンバーを登録し、防犯登録シール(連番入り)を自転車のフレームに貼り付けるだけ。

 いったん登録された自転車が盗難に遭った場合、その自転車情報を同じプロジェクト529のコミュニティと、ソーシャルネットワーク上に拡散させ、情報を共有しあい盗難車発見につなげるという仕組みだ。

 そして今月からは、同州リッチモンドのRCMPでも、このプロジェクトが採用される。同RCMPでは、このプロジェクトは自転車盗難を減らすだけではなく、他の犯罪の減少にもつながることを期待している。最近同市で増加している住宅侵入盗などの犯罪の多くには、盗難自転車が使用されているためだ。

 また警察の管轄域を越えて情報を共有できるこのシステムは、完璧とは言えなくとも、また効力を現すまでには時間がかかるとしても、犯罪抑止力として機能するだろうと、同RCMPは期待している。

 

System.String[]

 ブリティッシュ・コロンビア州ベラ・クーラに住むティム・マイケルチャックさんの妻シャノンさんは、6年前に多発性硬化症(MS)と診断された。

 そんな彼女を救う治療法、造血幹細胞移植の費用を集めるために、また一般の人にこの病気をもっと知ってもらうためにと、マイケルチャックさんは1100キロメートルの徒歩の旅をしている。「誰も知らないような小さな田舎町に住む自分にとって、クラウド・ファンディングは有効ではないと思った。そこで、自分が歩き続けて出会いを作っていくという、自分なりのクラウド・ファンディングを考えついた」とマイケルチャックさんは取材に説明している。

 目的地は、多発性硬化症のクリニックがある、同州バンクーバーのブリティッシュ・コロンビア大学(UBC)。1日約35キロメートルのペースで歩き続けているマイケルチャックさん、途中のウィリアムス・レーク市では新しい靴を寄付してもらうなど、すでに道中の人々から支援を得ているという。

 このペースで行くと、マイケルチャックさんは4月末にはUBCに到着する予定。

 

System.String[]

 カナダ統計局は8日、労働市場報告書を発表、3月の失業率が2ポイント改善し、7・1パーセントになったと報告した。昨年12月以来の水準。

 就業者数は4万600人の大幅増。専門家の予想1万人を大幅に上回った。就業者数増の3万5300人がフルタイム。専門家は労働市場に明るい兆しと捉えている。

 産業別ではサービス産業が好調で、ヘルスケアが約2万5千人増、宿泊・フード産業や専門職も増加した。一方、製造業は3万2千人減、天然資源産業(石油、天然ガス、鉱山を含む)は2100人減だった。

 地域別では、アルバータ、マニトバ、ノバスコシア、サスカチワン各州で増加、プリンスエドワード島州で減少した。その他の州はほぼ横ばいだった。特にアルバータ州では1万9000人増とこれまでの減少傾向から一転大幅増。失業率も8ポイント改善し、全国レベルまで戻った。原油価格が急落して以降、天然資源産業での解雇が続く中、アルバータ州にとっては久しぶりの朗報。それでも前年比では1・5パーセント少ないと報告されている。

 専門家は、原油価格が依然低いことから、今後も3月のような好調な雇用状況が続くか、先行きは不安定とみている。

 

System.String[]

 連邦新民主党(NDP)はエドモントンで開催していた党大会で10日、トム・マルケア党首への承認の是非を決める投票を実施。承認48パーセント、反対52パーセントで党首交代を決めた。

 これまでの慣例に従えば70パーセント以上の承認で党内で納得され党首を継続することができる。ただ党規則では党首として継続するには最低50パーセント以上の承認が必要だった。今回の投票は党規則の最低基準も超えることができなかった。

 党の意見がほぼ2分された結果となり、マルケア党首は「これが党を分裂させることなく一つにまとまる機会になることを願う」と述べ、「前回選挙での残念な結果をこれで洗い流し、新たな方向へと舵を切ることができるだろう」と語った。

 NDPは昨年10月19日実施された連邦選挙で50議席以上を失い、野党第2党となる大敗をした。2011年の総選挙ではジャック・レイトン党首の下、自由党を追い越し公式野党第1党となる大躍進を遂げた。しかしレイトン党首が病気で逝去、2012年に党首選を制したマルケア党首が就任した。

 マルケア党首は国会でも野党第1党としての存在感をみせ、NDPの支持率は上昇。選挙戦に突入してからは、世論調査で1位を独走するなど一時はカナダ史上初のNDP政権誕生かとまでいわれるほどの勢いを見せた。しかし、ケベック州での党首討論会以降支持率は急激に低下。最後まで盛り返すことができず、ケベック州での議席数が激減し、結果大敗した。

 選挙直後、マルケア党首は党首続投を表明。今党大会で承認されるか注目されていた。しかし党員は党首交代を選択。政権奪取の希望から野党第2党への転落には新党首の下で再出発するのが最適と判断した。今後は新党首選択に向けた動きが加速する。

 新党首選は2年以内に実施される予定。それまではマルケア党首が継続する。

 次期党首への動きとして立候補するのではとみられているのは、ニッキー・アシュトン議員。マニトバ州選出、2008年初当選の33歳。前回2012年党首選にも立候補した。若者からの支持が厚い。ネイサン・カレン議員。ブリティッシュ・コロンビア州選出、当選5期のベテラン議員。43歳。マルケア党首支持を表明していた。前党内総務。ピーター・ジュリアン議員。BC州選出。53歳。現党内総務。2012年の党首選には立候補しなかった。ミーガン・レスリー元議員。2008年初当選、ノバスコシア州選出。42歳。党首代理なども務めたが昨年の選挙で落選。しかし党内の若い党員の信頼は厚い。ペギー・ナッシュ元議員。62歳。2012年党首選に出馬。存在感を見せていたが昨年の選挙で落選した。ブライアン・トップ氏。55歳のベテラン政治政策家。国会議員ではないものの2012年の党首選に出馬し次点。現在はアルバータ州レイチェル・ノッテリー州首相の首席補佐官を務めている。

 

System.String[]

 ブリティッシュ・コロンビア州で自由党の政治資金集めに関し、苦情が申請されたことを受け、BCコンフリクト・オブ・インタレストのポール・フレーザーコミッショナーが調査に乗り出すことが7日分かった。

 BC州自由党が主催したクリスティ・クラーク州首相出席の政治資金集めのイベントに、参加者が多額の参加費を支払っていたことがメディアで報道されたことを受け、BC州新民主党(NDP)デイビッド・イービー議員とデモクラシー・ウォッチ共同設立者ダフ・コナチャー氏が同じ問題で別々に調査を申請していたことを受け、フレーザーコミッショナーが判断した。

 州の各党の政治資金集めについては、今月オンタリオ州で自由党がキャサリン・ウィン州首相が政治資金集めのイベントを個人的に開いたことが明らかになり非難を浴びた。その後、自由党政権は企業と労働組合からの寄付を禁止する法案を提出すると約束した。

 一方、BC州はNDPから提出された企業と労働組合からの寄付を禁止する法案を6日に却下。クラーク州首相は、寄付についての情報の透明性と選挙時の費用制限など現行法で十分に対応できると反論した。

 クラーク州首相は、自由党が主催した参加費1人1万ドルの政治資金パーティについて富裕層優遇との批判を浴びていた。それでも、政治資金集めについて規則の変更は必要ないとの立場を取っている。

 全国的にはオンタリオ州同様、企業や労働組合からの寄付を禁止する方向に動いている。ケベック州が最も厳しく、連邦政府をはじめ、アルバータ州、マニトバ州、ノバスコシア州も禁止に動いた。

 

System.String[]

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。