連邦新民主党(NDP)はエドモントンで開催していた党大会で10日、トム・マルケア党首への承認の是非を決める投票を実施。承認48パーセント、反対52パーセントで党首交代を決めた。

 これまでの慣例に従えば70パーセント以上の承認で党内で納得され党首を継続することができる。ただ党規則では党首として継続するには最低50パーセント以上の承認が必要だった。今回の投票は党規則の最低基準も超えることができなかった。

 党の意見がほぼ2分された結果となり、マルケア党首は「これが党を分裂させることなく一つにまとまる機会になることを願う」と述べ、「前回選挙での残念な結果をこれで洗い流し、新たな方向へと舵を切ることができるだろう」と語った。

 NDPは昨年10月19日実施された連邦選挙で50議席以上を失い、野党第2党となる大敗をした。2011年の総選挙ではジャック・レイトン党首の下、自由党を追い越し公式野党第1党となる大躍進を遂げた。しかしレイトン党首が病気で逝去、2012年に党首選を制したマルケア党首が就任した。

 マルケア党首は国会でも野党第1党としての存在感をみせ、NDPの支持率は上昇。選挙戦に突入してからは、世論調査で1位を独走するなど一時はカナダ史上初のNDP政権誕生かとまでいわれるほどの勢いを見せた。しかし、ケベック州での党首討論会以降支持率は急激に低下。最後まで盛り返すことができず、ケベック州での議席数が激減し、結果大敗した。

 選挙直後、マルケア党首は党首続投を表明。今党大会で承認されるか注目されていた。しかし党員は党首交代を選択。政権奪取の希望から野党第2党への転落には新党首の下で再出発するのが最適と判断した。今後は新党首選択に向けた動きが加速する。

 新党首選は2年以内に実施される予定。それまではマルケア党首が継続する。

 次期党首への動きとして立候補するのではとみられているのは、ニッキー・アシュトン議員。マニトバ州選出、2008年初当選の33歳。前回2012年党首選にも立候補した。若者からの支持が厚い。ネイサン・カレン議員。ブリティッシュ・コロンビア州選出、当選5期のベテラン議員。43歳。マルケア党首支持を表明していた。前党内総務。ピーター・ジュリアン議員。BC州選出。53歳。現党内総務。2012年の党首選には立候補しなかった。ミーガン・レスリー元議員。2008年初当選、ノバスコシア州選出。42歳。党首代理なども務めたが昨年の選挙で落選。しかし党内の若い党員の信頼は厚い。ペギー・ナッシュ元議員。62歳。2012年党首選に出馬。存在感を見せていたが昨年の選挙で落選した。ブライアン・トップ氏。55歳のベテラン政治政策家。国会議員ではないものの2012年の党首選に出馬し次点。現在はアルバータ州レイチェル・ノッテリー州首相の首席補佐官を務めている。

 

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