2016年12月8日 第50号

 カナダ統計局は2日、11月の就業者数が1万700人増となり、失業率が6・8パーセントに改善したと発表した。10月は7パーセントだった。

 ただ数字上の改善ほど内容は伴っておらず、就業者数増加はパートタイム1万9400人によるもので、フルタイムは8700人減少した。失業率の改善も、労働市場から求人者数が減少したことが要因と分析している。

 産業別ではサービス業で3万1200人増加。金融、保険、不動産、情報、文化・レクリエーションが含まれている。一方で建設業、製造業は2万600人減少した。

 地域別での就業者数は、オンタリオ州が好調で1万8900人増、ケベック州で8500人増、ノバスコシア州が3700人増加した。ブリティッシュ・コロンビア(BC)州では600人減、アルバータ州では1万2800人減となった。

 地域別失業率では、オンタリオ州が6・4パーセントから6・3パーセントに、ケベック州が6・8パーセントから6・2パーセントに、BC州でも6・2パーセントから6・1パーセントに改善。一方でノバスコシア州は7・6パーセントから8パーセントに、アルバータ州は8・5パーセントから9パーセントに悪化した。アルバータ州は1994年7月以来の高い失業率となった。国内ではBC州が相変わらず最も低い失業率となっている。

 

2016年12月8日 第50号

 衝突時にシートベルトが運転手や助手席の人の体を保持しない恐れがあるとして、フォードは以下の車種のリコールを2日に発表した。

フォード・フュージョン(2013〜2016年モデル)
リンカーンMKZ (2013〜2015年モデル)
フォード・モンデオ (2015〜2016年モデル)

 対象となる68万台のうち、カナダで販売されたのは3万5614台で、メキシコ・エルモシージョ工場かアメリカ・ミシガン州フラットロック工場で製造されたもの。

 事故時の熱により、シートベルトのたるみを巻き上げるプリテンショナーが所定の機能を果たさなくなる恐れがあるという。

 リコール発表の中でフォードは、このことが原因とみられる事故を2件、また人体への損傷を2件把握していると述べている。

 リコール修理は最寄りのディーラーで無料で行われる。プリテンショナーが熱の影響を受けにくくするための、コーティングがほどこされる。

 このほかフォードは、2017年モデルのフォード・フュージョンの、左側後部座席の背もたれ部分のフレームに関するリコールも発表している。背もたれを倒すためのヒンジ部分の溶接が適切に行われていなかった可能性がある。ただ、カナダで対象になるのは2台だけとのこと。

 

2016年12月8日 第50号

 メジャーリーグサッカー(MLS)は11月28日、東カンファレンスの決勝第2戦がトロントで行われ、トロントFCがモントリオール・インパクトを大逆転で破り勝利。MLS決勝に駒を進めた。

 カナダチーム対決となった東の決勝。モントリオールでの第1戦でトロントは2‐3と黒星を喫し、第2戦は2点差以上をつけての勝利が必要だった。先制はモントリオール。しかしトロントは前半45分に逆転すると後半も一度は追いつかれながら3‐2とし、延長戦へ。そこでさらに2点を追加し、第1戦からの劣勢を跳ね飛ばし大逆転で勝利した。日本人選手遠藤翼はサブで登録されたが出場機会はなかった。

 MLS決勝戦は12月10日トロントで、西の覇者シアトル・サンダーズFCと対戦する。

 

2016年12月8日 第50号

 ブリティッシュ・コロンビア州では、警察官が拘束した人物の生命を救う目的で心肺蘇生法(CPR)や、麻薬拮抗剤ナロキソンの投与を行ったものの死亡した場合は、そのことに対する調査が行われないことになった。

 警察の捜査のやりかたなどに問題がないかを調査する機関、独立調査局が2日発表した。

 警察官が心肺蘇生法を行ったものの死亡した事故は、8月だけで11件が同局に報告されたという。これらの事故は全て同局によって調査されたが、いずれのケースも警察官の処置に問題は見つからなかった。

 今回の決定は、同州サレー市で先週、RCMPの警察官がナロキソンを投与している最中の人物が死亡した事故を受けて行われた。

 警察の中には調査を憂慮して、薬物過剰摂取の人物に積極的な治療をためらっていた部署もあったが、今回の決定によってその心配がなくなったと、同局は取材に答えている。

 

2016年12月8日 第50号

 オンタリオ州トロントの、オンタリオ湖に面したビリービショップ空港で2日朝、あたりを飛行していたドローンが旅客機の運行に支障を及ぼすインシデントが発生した。

 影響を受けたのは、同空港に向かっていた、ポーターエアラインのボンバルディアDHC-8型機で、アメリカ・ワシントンDC州ボストンから同空港に向けて飛行中だった。

 インシデントの報告を受けたカナダ運輸省は、ドローンの種類についてはコメントしていないが、ポーターエアラインのパイロットからの報告では「危険な飛行パターンだった」と、メディアへの電子メールで説明している。

 空港近辺など管制官によってコントロールされている管制空域や、一般の飛行が禁止されている制限空域での無許可飛行や、他の航空機の安全を阻害する飛行は違法であり、最大で2万5000ドルの罰金または禁固刑になると、運輸省。今回の件はすでにトロント市警察が捜査を開始している。

 インシデントが起きたビリービショップ空港付近では、つい先日もポーターエアラインの旅客機が航路上を飛行していた物体との衝突を回避する行動をとり、乗務員が軽いけがを負っている。この時の物体は、通常のドローンよりも高い高度(9000フィート)かつ速いスピードであり、その正体はわからないままとなっている。

 トロント市警察では、今回のインシデントにつながる情報提供を呼びかけている(416-808-1400)。

 またメディアが入手した交通省のレポートは、こうしたドローンと航空機のニアミス報道が、無人航空機を用いた新たなテロ手法のアイデアをテロリストに与える危険性を指摘している。レポートは、昨年9月にブリティッシュ・コロンビア州アボッツフォード空港に向かっていたウェストジェットのボーイング737型機とドローンとのニアミス(高度差60メートルまで接近)など5件のニアミスについて報告している。

 その一方でレポートは、入手が簡単な娯楽用ドローンの滞空時間(10〜40分)と、航空機の飛ぶ上空の強い風の中では、意図的にドローンを航空機に衝突させるのはほぼ不可能に近いとしている。またテロリストがカナダ国内でドローンを入手するのは容易であるものの、そうした目的でドローンを飛行させることは逆に、その意図を公表することでもあり当局の関心を引くことになるとも指摘している。

 その例として2015年5月、BC州バンクーバー島ナナイモ港の上空で不審な飛行をしていたドローンが、港の警備官によって目撃され交通省に報告された例を挙げている。このドローンは空撮を行っていたとみられている。

 

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