2017年7月6日 第27号
大手製薬メーカーのバイエルが、内服薬の下剤をリコールした。カナダ保健省によると、窒息の恐れがあるという。
リコール対象となった製品は、同社のレストララックス45+10 バリューパック(RestoraLAX 45+10 Value Pack)。カナダ国内では、コストコのみで販売されていた。45回分の薬が入ったボトルと、1回分の使用量に小分けされた小袋パック10個が入った箱が、いっしょにラップされている。
この内服薬は、水などに溶かして服用する顆粒状の薬だが、凝固したりして窒息させる可能性があるとのこと。保健省はこの薬の使用者に対し、すぐに使用を中止するとともに、嚥下や呼吸に問題が生じた場合は、医療機関の診断を受けるように呼びかけている。
2017年7月6日 第27号
カナダの子供保護活動団体が、子供たちの間で人気のチャットアプリの新機能について、子供たちの居所を悪意を持った人物が突き止め、悪用される可能性があると警告している。
警告を出した団体は、サイバーチップ(Cybertip.ca)というウェブサイトを運営しているカナダ子供保護センター(Canadian Centre for Child Protection)。それによると、子供たちの間で人気のチャットアプリ、スナップチャットの新機能スナップマップを使うと、そのユーザーの居場所が他のユーザーと共有され、子供たちが危険にさらされる可能性があるという。この機能は、最近のスナップチャットのアップデートの際に、インストールするかどうかを選択するようになっている。いったんインストールされると、ユーザーが、このアプリを作動させるたびに、その地図上に正確な現在地を表示するようになる。
また24時間以内のスナップチャットで送られた写真や動画のまとめ、スナップチャット・ストーリーを共有した場合にも作動する。そのため、ユーザーの1日の行動が手に取るようにわかることになり、どのルートを通って通学しているか、また、どの家に住んでいるかなどまで特定できるようになる。
保護センター以外にも、チャイルドネット・インターナショナル(Childnet International)といった、インターネット上での子供の安全を守る団体も、その位置表示の正確さから、個人的に知らない人とは共有しないようにすべきだと懸念を表明している。また、位置情報機能をオフにする、ゴーストモード(ghost mode)を用い、地図上に自分のアバターが表示されるのを避けるようにすることを推奨している。
保護センターには今のところ、スナップマップに関する苦情は寄せられていないが、スナップチャット自身については、ヌード画像を送付するよう強制されたりしたという事例が報告されている。これらの画像が保存され、さらなる脅迫の元となったり、画像が際限なく拡散されたということもあるという。
自分の子供たちがソーシャルメディアを、どのように利用しているのかを正確に把握するのは難しいものの、親は子供とこうしたアプリの機能について率直な会話を重ねていくべきだと、同保護センターはアドバイスしている。
2017年7月6日 第27号
ケベック州ガテノー市にあるカナダ歴史博物館で、大幅に刷新された展示内容が1日より一般公開された。同日午前中に行われたオープニングセレモニーでは、カナダを訪問中のイギリス王室のチャールズ皇太子とカミラ妃がリボンカットを行った。
午前10時半、メラニー・ジョリー・カナダ民族遺産大臣の出迎えを受けたチャールズ皇太子夫妻は、会場に集まった来訪者たちと握手をしたのち、オープニングセレモニーに参列した。床面積4千平方メートルを超えるこの新しいカナダ歴史ホールの改装には、3千万ドルの費用と5年の歳月がかけられた。
チャールズ皇太子夫婦に展示内容を案内した同館のリサ・ラブラン開発創造部長は、カナダの歴史を語るのであれば、取りこぼしのないよう全てを網羅する必要があったと語っている。改装前の展示は、ニューファウンドランド・ラブラドール州へのバイキングの到来から、1970年代のバンクーバーまでの歴史を、当時の写真を並べる形で紹介するだけだった。
しかし、新しい展示では最新のコンピューター技術やAV設備、また貴重な先住民の遺物などを用い、最後の氷河期の後にカナダでの初めての人類の足跡が確認されてから、今日の多文化国家に至るまでの1万5千年の歴史をカバーするようになった。
その中にはコンピューターによって復元された約4千年前に太平洋岸で生活していた人々や、イロコイ族の複数家族が共同生活していたロングハウスのバーチャル・ツアーなどもある。さらに先住民と異文化の接触(最初はバイキング、そしてヨーロッパからの探検家たち)から発展した歴史的出来事、植民地政策や毛皮貿易、疫病の流行、さらに7年戦争、イギリスと先住民の間で結ばれた条約などにもスポットを当てている。そして2度の世界大戦、先住民への同化教育(residential school)、ケベック州独立運動、多文化主義について紹介するなど、充実した内容となっている。
来訪者の一人はメディアの取材に対し、高校の歴史で習った出来事を、先住民の遺品などの展示物で確認することができ、とても興味深かったと話していた。
2017年7月6日 第27号
サスカチワン州最大の都市サスカツーンから北230キロメートルほどのプリンス・アルバート国立公園で1日朝、パン屋にクマが侵入した。
この店は、同公園内のワスクサイウ湖湖畔に並ぶ商店街の中にある、ワスクサイウ・トレーディング・カンパニー。店内で焼きあがったシナモンロールをちょうど窯から出していたレス・アーチャーさんは、裏口のドアをたたく音を耳にした。店を手伝いに来た母親だろうと思って見てみたところ、クマがドアを開けて中に入ってこようとするところだった。アーチャーさんは手元にあったものを投げつけたり、棒を使ってなんとか追い払うことができた。きっとシナモンロールの甘い香りに誘われてきたのだろうと、アーチャーさんは取材に答えている。
しかし、この店にクマが出現したのは今回が初めてではなかった。先週には店舗裏側に置いてあった冷蔵庫が開けられ、保管してあったマカロニサラダが被害にあっている。そこで店では冷蔵庫の扉を木材でカバーするなどの対策を行ったのだが、クマは、その晩に再び出現。この時は冷蔵庫の覆いの一部をはがすことに成功したものの、冷蔵庫の中までは到達できず退散した。ところがその翌朝、冷蔵庫をあきらめたクマは、今度は店の中への侵入を試みて裏口のドアを押し開けたところ、アーチャーさんと遭遇することになった。
アーチャーさんは地元の自然保護官に連絡を取ったが、その後クマは現れていないという。たまたまカナダデーの連休で多くの人出があり、クマはそれを避けて遠ざかったのかもしれないとアーチャーさん。いずれにしても、これからはクマの注意を引かないよう気を付けるつもりだが、パン屋という性格上、パンが焼きあがる時のおいしいにおいが拡散するのだけはどうしようもないと話していた。
2017年7月6日 第27号
ブリティッシュ・コロンビア州ローワーメインランドからそれほど遠くないハリソン湖東岸で発生した山火事のため、カナダデーの連休をキャンプ場で過ごしていた人たちが避難せざるを得なくなった。
山火事が最初に確認されたのは、1日午後。20ヘクタールほどの規模だったが、折からの乾燥した好天のため2日午前中には60ヘクタールと、一挙に3倍に広がった。このため同日午後にはBC州森林火災局が最寄りのキャンプ場の利用客に、避難命令を発令した。キャンプ場のひとつ、コグバーン・ビーチ・レクリエーション・サイトに、同州内陸部のバーノンから400キロメートルほどをドライブして訪れていた利用客のひとりは、予定を切り上げなければならなくなり残念だと取材に話しながらも、自然の力には従うしかない、もし間違って山火事に囲まれてしまったら大変なことになると、避難命令に理解を示していた。
沿岸部火災センターによると、今回の山火事は人為的な出火であるとしている。また現場に続く林道は幅が狭いうえに、レクリエーション目的の利用客の車が多数路肩に駐車していたため、消防車両が通行できない個所があったほか、火災現場は急な斜面のため消火活動は、はかどっていない。先週末の時点で、60人あまりの消防隊員のほか6機のヘリコプターと1機の飛行機が上空から消火活動にあたっていた。