2017年7月6日 第27号

 カナダの子供保護活動団体が、子供たちの間で人気のチャットアプリの新機能について、子供たちの居所を悪意を持った人物が突き止め、悪用される可能性があると警告している。

 警告を出した団体は、サイバーチップ(Cybertip.ca)というウェブサイトを運営しているカナダ子供保護センター(Canadian Centre for Child Protection)。それによると、子供たちの間で人気のチャットアプリ、スナップチャットの新機能スナップマップを使うと、そのユーザーの居場所が他のユーザーと共有され、子供たちが危険にさらされる可能性があるという。この機能は、最近のスナップチャットのアップデートの際に、インストールするかどうかを選択するようになっている。いったんインストールされると、ユーザーが、このアプリを作動させるたびに、その地図上に正確な現在地を表示するようになる。

 また24時間以内のスナップチャットで送られた写真や動画のまとめ、スナップチャット・ストーリーを共有した場合にも作動する。そのため、ユーザーの1日の行動が手に取るようにわかることになり、どのルートを通って通学しているか、また、どの家に住んでいるかなどまで特定できるようになる。

 保護センター以外にも、チャイルドネット・インターナショナル(Childnet International)といった、インターネット上での子供の安全を守る団体も、その位置表示の正確さから、個人的に知らない人とは共有しないようにすべきだと懸念を表明している。また、位置情報機能をオフにする、ゴーストモード(ghost mode)を用い、地図上に自分のアバターが表示されるのを避けるようにすることを推奨している。

 保護センターには今のところ、スナップマップに関する苦情は寄せられていないが、スナップチャット自身については、ヌード画像を送付するよう強制されたりしたという事例が報告されている。これらの画像が保存され、さらなる脅迫の元となったり、画像が際限なく拡散されたということもあるという。

 自分の子供たちがソーシャルメディアを、どのように利用しているのかを正確に把握するのは難しいものの、親は子供とこうしたアプリの機能について率直な会話を重ねていくべきだと、同保護センターはアドバイスしている。

 

 

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