2017年7月6日 第27号
サスカチワン州最大の都市サスカツーンから北230キロメートルほどのプリンス・アルバート国立公園で1日朝、パン屋にクマが侵入した。
この店は、同公園内のワスクサイウ湖湖畔に並ぶ商店街の中にある、ワスクサイウ・トレーディング・カンパニー。店内で焼きあがったシナモンロールをちょうど窯から出していたレス・アーチャーさんは、裏口のドアをたたく音を耳にした。店を手伝いに来た母親だろうと思って見てみたところ、クマがドアを開けて中に入ってこようとするところだった。アーチャーさんは手元にあったものを投げつけたり、棒を使ってなんとか追い払うことができた。きっとシナモンロールの甘い香りに誘われてきたのだろうと、アーチャーさんは取材に答えている。
しかし、この店にクマが出現したのは今回が初めてではなかった。先週には店舗裏側に置いてあった冷蔵庫が開けられ、保管してあったマカロニサラダが被害にあっている。そこで店では冷蔵庫の扉を木材でカバーするなどの対策を行ったのだが、クマは、その晩に再び出現。この時は冷蔵庫の覆いの一部をはがすことに成功したものの、冷蔵庫の中までは到達できず退散した。ところがその翌朝、冷蔵庫をあきらめたクマは、今度は店の中への侵入を試みて裏口のドアを押し開けたところ、アーチャーさんと遭遇することになった。
アーチャーさんは地元の自然保護官に連絡を取ったが、その後クマは現れていないという。たまたまカナダデーの連休で多くの人出があり、クマはそれを避けて遠ざかったのかもしれないとアーチャーさん。いずれにしても、これからはクマの注意を引かないよう気を付けるつもりだが、パン屋という性格上、パンが焼きあがる時のおいしいにおいが拡散するのだけはどうしようもないと話していた。