2017年6月29日 第26号
ブリティッシュ・コロンビア州議会は22日に、自由党少数派政権の議会開会の式辞がジュディス・ギチョン副総督により発表され、5月9日の選挙後、正式に議会が再開した。
その内容は、自由党が選挙期間中に掲げていた公約にはなく、新民主党(NDP)やグリーン党の公約が多く盛り込まれていた。
顕著なものでは、企業・組合からの政党献金の廃止、個人献金額の上限設定、選挙制度改革に対する住民投票の実施、チャイルドケアの充実、生活保護給付金を月100ドルに引き上げ、ポートマンブリッジ通過料の廃止、2022年までの炭素税引き上げなどで、これらは自由党が選挙期間中も反対を表明していた野党の提案だった。
これについて自由党クリスティ・クラーク州首相は、選挙を経て州民の声に真摯に耳を傾けた結果の内容であり、NDPやグリーン党の公約を借りたものではないと強調した。
しかし誰が見ても、その説明には無理がある。NDPジョン・ホーガン党首は「自由党は自分たちの方針を見失った」と語り、自由党に投票した有権者の信頼を失うだろうと語った。グリーン党アンドリュー・ウィーバー党首も、自由党のあからさまな方向転換を非難する声明を発表、不信任を確信したと語った。
自由党は5月9日の選挙で87議席中43議席を獲得。1953年以来の少数派政権となることが決まった。一方、NDPが41議席、グリーン党3議席が政策によって協力することで合意。結果、NDP・グリーンが44議席となり自由党政権不信任でも合意した。