2018年3月8日 第10号
トランスリンクは6日、新たにB-ラインを運行する4ルートを発表した。2019年末までに導入する。B-ラインは停車するバス停が少ないエキスプレスバスライン。現在は、ブリティッシュ・コロンビア大学(UBC)とスカイトレインのコマーシャル駅をつなぐ99B-ラインなどが運行している。
新4ルートは次の通り。
バス停の場所などはこれから地元住民と相談するとしている。
2018年3月8日 第10号
カナダで生まれ、子供たちの間では定番となっているイタリアン風スナック、ピザポップ。その考案者が2月6日、静かにその人生を終えた。
ポール・ファラッチさんはマニトバ州ウィニペグ生まれのウィニペグ育ちで、1960年代にはハンバーガーなどを提供する一般的なレストランを経営していた。甥のフィル・ファラッチさんによると、当時ファラッチさんはイタリア料理のレシピを加えようと、様々な工夫をしていたという。ピザを半月形に折ったようなカルツォーネも作ってみたものの、味がよくなく試行錯誤を重ねた末に、現在のピザポップの原型となるものを作り上げた。
これが大ヒットしたため、ファラッチさんはレストランを閉め何人かのパートナーとともにこの新商品を製造する会社を設立、商品名も正式にピザポップとした。その後、ファラッチさんは商品のラインナップを拡大しようとしたものの、パートナーと意見が合わず80年代には会社を去った。
その後この会社は、大手食品会社ゼネラルミルズ傘下のフィルズバリーに売却され、ピザ・ポケットやホット・ポケットといった新商品も発売されるようになった。
そんなファラッチさんが2月6日、ブリティッシュ・コロンビア州内陸部の人口4万人ほどの都市バーノンで息を引き取ったと、彼の家族が2月27日明らかにした。享年89歳だった。このことが一般に広まると、ソーシャルメディア上では彼の死を悼むとともに、その功績への賛辞が多く書き込まれた。アルバータ州カルガリーの保守党連邦議会議員、ミッシェル・ランペルさんは「まさに今日、朝食に大好物のピザポップを食べてから薬を飲んだところ。子供のころ、冷凍庫にはいつもピザポップが常備されていた」とツイッターに書き込んでいた。
ファラッチさんは起業家マインドがあり、ほかにもアイデアをいくつも持っていたが、ピザポップを最も誇りに思っていて、できることなら再びその権利を得て、自分たちで製造したがっていたとフィルさんは語っている。その遺志を受け継ぐかのように、フィルさんの息子は、自分が営業しているフードトラックで、大量生産される前のオリジナルレシピのピザポップを売りに出そうと考えているという。
2018年3月8日 第10号
脳卒中で死亡した青年の心臓を移植した男性が、10キロメートルマラソンを完走した。また心臓を提供した青年の父親が、マラソン会場でこの男性を応援、感激の出会いとなった。
オンタリオ州オタワ市郊外の町カナタで2年前に死亡したのは、アダム・プラショウさん(当時22歳)。そして彼の心臓は、50代前半で重症の心筋梗塞に見舞われてから、階段の上りもままならないほど衰弱したジョン・ディックハウトさんに移植された。
その後健康を回復したディックハウトさん、「この贈り物が、どれほど私と私の家族を変えたかを、提供してくれた青年家族に知らせたい」との思いから、彼らの地元近くで開催されたマラソンに出場することにした。
マラソン当日、プラショウさんの父親リック・プラショウさんは「まるでホッケーの試合に参加している我が子を見ていたような気分だった」と語り、ゴールでディックハウトさんを抱きしめた。
自分の息子が死んだ時、彼の心臓を移植用に提供することに同意するのは「彼の死に直面したことに比べたら、簡単なことだった。何よりもそれが息子の意志だったから」と、プラショウさんは取材に語っていた。
2018年3月8日 第10号
アルバータ州エドモントン市で、駐車場に止めてあった車に何者かが穴を開け、ガソリンを抜き取る様子が防犯カメラに捉えられた。
エドモントン市警察によると、事件が起きたのは同市北西部の屋外駐車場で、1月11日午後8時半少し前のことだった。
映像には、駐車してあったミニバンの横に止まった車から男が降りてきて、しばらくミニバンのガソリンタンクの周りを探っている様子が捉えられている。その後男は車の下に容器を置いたあと、ミニバンの側面に穴を開け始めた。そして流れ出したガソリンで容器がいっぱいになるのを待ってから、それを自身の車のガソリンタンクに移し替え、現場からその車で立ち去った。
同市警察によると、同じような手口の犯行が市内各所で起こっており、18件が確認されているという。また被害を受けた車のドライバーの中には、そのまま車を運転、ガソリンスタンドで給油している最中にガソリンが漏れ出しているのを見て、初めて穴を開けられたことに気が付いたケースもあった。
ガソリン泥棒は些末な犯罪のようにも聞こえるが、車に重大なダメージを与えると市警察では話しており、犯人につながる情報の提供を市民に呼び掛けている。
2018年3月1日 第9号
連邦自由党政権が2月27日、予算案を発表した。今年度も含めた6年で215億ドルの支出には、女性の社会進出を促すための予算と、先住民族の生活水準の向上と社会進出、科学事業への支援、サイバーセキュリティ問題、環境保護、育児支援、薬物中毒問題などが盛り込まれた。
一方で、アメリカのトランプ政権が実施すると提案している法人税引き下げに呼応するためのビジネス界が期待していた税制は盛り込まれなかった。
また新民主党(NDP)が推進している全国規模の薬局プログラムについては、検討するとしたものの、今回の予算案には予算が付かなかった。
今年のテーマは女性と先住民族。女性の社会進出と雇用を促進し、女性と男性の賃金格差の是正を図ることにより、女性がより活躍できる社会を目指す。その一環として、男性の育児休暇を促進。男性も5週間の育児休暇を取ることができる。これには同性愛パートナー、養子の場合も含まれる。また女性の起業家支援や輸出事業支援も盛り込まれた。女性関連には約12億ドルの予算が当てられた。
先住民族支援については、住宅やライフラインの設備の改善といった基本的な生活水準の改善と、先住民族の人々が、より社会進出できるような支援を盛り込んだ。
女性と先住民族の社会進出については、今後ベビーブーマーと言われる世代が定年し労働市場から離れていく中、その穴埋めとしての労働人口の安定化に向け、女性と先住民族の労働市場への参入は欠かせないとの見方を専門家は示している。しかし、現実は同様の労働条件下でも女性の給与が男性より少なかったり、育児で仕事を離れたことにより給与が引き下げられたり、また子供を預けられず女性が職場復帰できないなど、さまざまな要因で女性の社会進出が妨げられている。今回の予算案ではそこに焦点を当て、「女性を支援する」を強調した予算案となった。
しかし専門家や評論家には、今回の予算案では不十分と言う声が多く聞かれている。特にデイケアシステムの改善が予算に組み込まれていない点が指摘されている。出産、育児で職場を離れた女性にとって、デイケア不足による負担が最も職場復帰を妨げているという。デイケアの充実が女性の職場復帰に最も効果的と指摘し、今回の予算案では、これがほとんど実現していないと多くの専門家が指摘した。
女性の雇用を促す一環として、今回の予算案では科学事業の充実に390億ドルが盛り込まれた。科学分野での女性の進出を促すと説明している。
ビル・モルノー財務相は、「人々のための予算案」と国会で紹介し、堅調なカナダ経済を維持しつつ、女性の社会進出を促進することで、将来的により強固なカナダ経済を実現できると語った。
野党は、今回の予算案に大きく反発している。野党第一党保守党アンドリュー・シェア党首は、今回も赤字予算で借金が増加し将来に大きな負担を残すことになると批判。2019年度には黒字予算を目指すとしていた公約から大きく外れていると語り、予算案に反対することを公言した。
NDPジャクミード・シング党首は、全国的な薬局制度に全く予算をつけていないことやデイケアの充実が図られていないと主張。住宅問題にしても2年後に解決する予算案では、現在厳しい状況にある国民には何の助けにもならないと批判した。これらは若者を苦しめる結果になるとも語っている。
評論家の多くが今回の予算案は来年実施される連邦選挙に向けての予算案で、2019年から実施されるものも多い。自由党が選挙に勝つための政策が多く盛り込まれていると語っている。