2018年10月4日 第40号

 彼と付き合うようになってから約半年。とても優しいし、いつも私のことを大好きだと言ってくれる。夜仕事が終わったら迎えに来てくれるし、毎日何度もテキストをくれる。私もそんな彼が大好きで、毎日のように会っていた。付き合って3カ月位経って関係も少し落ち着いてきたので、そろそろ女友達と会う時間が欲しいと話すと、彼も一緒に来たいと言ってきた。カナダはカップルで行動することが普通だと聞いていたので、彼を私の友達に紹介した。友達も優しそうな人だねっと言ってくれた。 紹介してよかった。これで私たちはオフィシャルにカップルになれたと幸せを感じる毎日だった。

 それから彼はどこに行くにも私についてくるようになった。彼との関係に不満はなかったけれど、大好きだった本を読む時間が全く取れていない。たまには一人の時間が少しでも欲しくなってきたので、それを彼に伝えると突然彼の機嫌が悪くなった。「誰か好きな人ができたの?」「浮気でもしているの?」と彼は不満を全身でぶつけてきた。また、別の日にたまたま男性の同僚のことを話すと、同僚との関係を疑うようになってきた。 『彼はただの同僚、何も心配することはないよ』と何度も彼に安心してもらおうと試みたが、ますます疑いや束縛がひどくなってきた。私の行動もチェックされているような気がする。部屋の中の物が少し移動しただけでも、誰か来たのかどうかを聞かれるようになってきた。

 最初は彼がヤキモチをやく姿を見て、私はこんなにも愛されているんだと心が熱くなったけど、最近の彼を見ているととても不安。『私は潔白。彼を裏切るようなことなんてしていない!どうして私を信頼してくれないの?そもそも私が悪いの?私の何が彼にそんな言動を取らせてしまうんだろう?』。今ではただ彼の妄想レベルが半端ないとしか思えない。もしあなたがこんな経験をしているのだとしたら、あなたの彼は「妄想性パーソナリティー障害」を抱えているのかもしれません。

妄想性パーソナリティー障害について

 妄想性パーソナリティー障害とは、パーソナリティー障害群の一つであり、英語ではParanoid Personality Disorderと言い、パートナーに対し、異常な嫉妬心や疑いを持つ障害のことを指します。本人は相手に対する疑いから常に不安を感じていますが、その不安は自分の「妄想」から来ていることは自覚していません。そのため、最初二人の関係がうまくいっていても、だんだんパートナーはいつか自分を傷つけるのではないかと怯え始め、例え事実や証拠がなくても相手が浮気をしているのだと確信して問い詰めたり、 相手の細かい言動をチェックするようになります。また、 過去の悪い出来事をずっと覚えていて、何かあるたびにそれを引っ張り出してきたり、突然怒り出してパートナーの人格を攻撃する、あるいは泣いたりひどく落ち込んだところを見せるようになります。症状がひどくなると、付き合っているにも関わらず、ストーカーのような行動に変わってくることもあります。

疑われるのは私が悪いから?

 この障害は、子供のころ親から体罰を受けていたり、見放されたというような経験をしていた人に発症することが多いようです。そのため、子供時代に経験したことが大人になっても現実・事実と感じてしまい、その不安を妄想するという不健康な形で解除しようとします。この障害を持っている場合、嫉妬や疑いのスイッチが入ってしまうと、パートナーが安心させてあげるという段階は超えてしまいます。もし二人だけで解決しようとすると、両方とも詰められて「ウツ」になってしまうこともあるので要注意です。これらが思い当たる人、障害を抱えているかもしれないという疑いがある場合は、専門家のサポートを受けるなどして、自分の心をケアすることをまず優先順位としましょう!

 


Sunny Chung MBA, MCP, RCC, CCC, CPF

カナダ公認サイコセラピスト&カナダBC州公認臨床心理カウンセラー。BC州認定アドラーペアレンティング・エデュケーター。クシ・アカデミー認定マクロビオティック・インストラクター。スピリチュアルカウンセラー。アメリカで心理学学士号&経営学修士、カナダで心理学カウンセリング修士取得。10年間アメリカ・カナダの企業でコミュニケーション、人間関係、パフォーマンスなどをコーチング。心理カウンセリングはアドラー心理学、CBT、脳科学、およびアートセラピーをもとに、世界でここしかないホリスティックなカウンセリングを提供している。また、いろいろなテーマで各種セミナーを随時開催。カウンセリング&ワークショップの詳細はウェブサイトから。
www.sunnychung.ca

 

 

 

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