2019年7月4日 第27号

 日本ではやっと心の病に関する認識が高くなってきましたが、子どものウツにはまだまだ気づかず、症状を『性格』だとみている親御さんが多いかもしれません。

 カウンセリングに来られる方の中にも、子どもの頃からウツが発症していたのにもかかわらず、周りの大人が全く気づいておらず、ウツと何十年も付き合って来られた方が沢山おられます。子どもの中には、感情をうまく表現できず、 リストカットや見えないように腕や肩など繰り返し傷つけていることもあります。また、アメリカでは、5歳〜12歳の子どもの11%程が自殺のリスクがあるといわれています。

 子どものウツに気づいてあげられないと、『やる気のなさ、人付き合いがうまくいかない、成績が思うように伸びない、やりたいことが見つからない』など、ウツが水面下に潜んでいる感じになります。子どものウツの症状に早く気づいてあげることは、子どもの可能性を守ってあげることになります。そして、もしあなたが何十年も『生きづらさ』を感じているなら、あなたは子ども時代から(仮面)ウツの症状があったのかもしれません。

子どものウツの見分け方

 親御さんが感情表現が苦手な場合は、子どもの気持ちにも鈍感になってしまう恐れがあります。すると、子どものウツの症状を、『この子は手が焼ける…』と子育てにただただ疲れてしまいます。そこで、少し子どものウツの症状の出方をシェアさせていただきたく思います。

 子どもはtemper tantrum(癇癪)を起こすものですが、それ以外に子どもの言動が前と変わったところがあるかどうか、よく観察してみてください。 例えば、癇癪が前よりもひどくなった、睡眠のパターンが変わった、食欲が無くなった、あるいは前よりももっと食べるようになった、他の子どもと遊ばなくなった、一人でいることが多くなった、成績が落ちてきた、以前好きだったスポーツやアクティビティーに興味がなくなった、など。

普通に起こる感情のUp&Downとウツの場合はどう違うのか

 もっとも簡単な見分け方としては、感情の起伏の上がり下がりとそれらの言動が、子どもの生活においてどうマイナスになっているかが重要なポイントです。

 兄弟喧嘩が多くなる、成績が下がる、パニックになる、アクティビティーをしなくなる、癇癪が酷くなるなど。それらの症状が長引いていないか。また、それらが子どもの生活全体にどうマイナスに影響しているかです。大人で例えると、感情の起伏が回復に向かわず、どんどん物事をマイナスに受け止めたり、友人と距離を置きだしたり、だんだん引きこもりがちになってきたり、休みの日はずっと寝ていたりして、どんどん周りから孤立してきたりと言えば分かりやすいでしょうか。

ティーンエイジャーのウツの見分け方

 ティーンエイジャーは反抗期にも入ってきますので、感情の起伏も激しくなり、それらがマイナスに影響することは普通にあります。ティーンエイジャーもウツかどうかを見分けるには、以下の8つの症状のうち、5つが当てはまっているかどうか。それらが2週間以上続いているかどうかがポイントです。

①気持ちの落ち込みを感じている
②色々なことに興味がなくなってきた
③ダイエットもしていないのに体重が落ちてきた、食欲が減った、あるいは増えた 
④動き方がゆっくりになってきた
⑤疲れが取れない、エネルギーがない
⑥自己肯定力が下がった、自分に価値を見出せない、罪悪感や怒りがある
⑦集中力が下がった
⑧自殺願望がある

 上記にも述べましたが、ウツの症状を子どもの『性格』だと思い、長い間治療しないでいると、子どもの人生にとてもマイナスに影響してきます。今までと少し違うなと感じた場合は、専門家に相談してみてくださいね。

 


Sunny Chung MBA, MCP, RCC, CPF

カナダ・BC州認定心理カウンセラー。 BC州認定アドラーペアレンティング・エデュケーター。クシ・アカデミー認定マクロビオティック・インストラクター。スピリチュアルカウンセラー。アメリカで心理学学士号&経営学修士、カナダで心理学カウンセリング修士取得。10年間アメリカ・カナダの企業でコミュニケーション、人間関係、パフォーマンスなどをコーチング。心理カウンセリングはアドラー心理学、CBT、脳科学、およびアートセラピーをもとに、世界でここしかないホリスティックなカウンセリングを日・英語で提供している。また、いろいろなテーマで各種セミナーを随時開催。カウンセリング&ワークショップの詳細はウェブサイトから。
www.sunnychung.ca

 

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。