2019年9月5日 第36号

子供の心がどのように育つか考えたことがありますか? 子供は感情の塊なので、感情で物事を理解しようとします。大人が子供と話すときは、子供目線に立って感情を聞き出したり、話しかけたりすることが大切です。今回は、それらについてのキーポイントをお伝えさせていただけたらと思います。

ステップ1: 子供との会話で感情を引き出してあげる
 まず、感情を引き出せない親子の会話を見てましょう。子供『今日ね、〇〇ちゃんと〇〇ちゃんが喧嘩してたんだよ。』親『あら、そう。何があったの?』子供『知らないけど、言い合ってた。』親『そうなんだ。』という感じで会話が終わります。

 次に、プロセスのある会話を見てましょう。子供『今日ね、〇〇ちゃんと〇〇ちゃんが喧嘩してたんだよ。』親『あら、そう。何があったの?』子供『知らないけど、言い合ってた。』親『そうなんだ。それで喧嘩を見てて、Aちゃんはどんな気持ちになったの?』子供『少し怖かった。もし自分も友達と喧嘩しちゃったら、あんな風に喧嘩になるかとおもっちゃった。』親『そうか。それは不安な思いをしたのね。』

 ここでのポイントは、友達の喧嘩を見ていて、何かを感じたので親に話しているかもしれません。ですが、子供はまだ自分の感情に気づかなかったり、なぜそれを親と話してみようと思ったのかも認識していません。

 ここでは聞いてあげて、自分の気持ちに気づかせてあげて、共感してあげることが大切です。そうすることで、子供は自分の気持ちに気づいてもいい、それを話しても人から拒絶されないのだと安心して、親と子供の信頼感を強めることもできます。

 もし親と子供の会話で感情をうまく引き出すことができなければ、子供は自分の感情に鈍感になり、大人になったとき、自分の気持ちに気づけず、自分のやりたいこともよく分からなくなってしまいます。

ステップ2:どうすればいいのかを一緒に考えてあげる
 子供の気持ちが少し引き出せたら、今度は子供が不安に思っていることを一緒にシュミレーションしてあげます。例えば、子供『少し怖かった。もし自分も友達と喧嘩しちゃったら、あんな風になるかとおもっちゃった。』親『そうか。それは不安な思いをしたのね。』『今まで友達と意見が合わないときは、どうしてたの?』子供『黙ってた。』親『どうして?』子供『だって、何て言っていいか分からないもん。』親『そうだったんだ。他に何か試してみたことってある?』子供『違う友達と話した。』親『それで解決できた?』子供『話を聞いてもらったら、楽になったけど、その子には言えない。』親『そうね。気持ちが楽になってよかったね。でも本人に気持ちを直接言うって難しいよね。』(先ずは共感してあげる)親『ずっと言えないと、そのお友達との関係はどうなると思う?』子供『分からない、でも仲良くはなれないと思う。』親『そうね。もし仲良くなりたいって思ったら、どうしたらいいと思う?』子供『やっぱり、言わないといけないと思う。』親『そうね!言ったらお互いの考えや気持ちが確認し合えるもんね。』

 このように、親が解決策を提供するのではなく、質問していくことで子供が何をしたらいいのか、自分で少しずつ考えることができるようになります。

ステップ3:励ましてあげる
 強い心は、大人から励ましてもらえることでどんどん育っていきます。子供の心は、親が解決方法を提供するのではなく、『ほ〜ら、できなかったでしょ?』と親が正しいと強調するのでもなく、人生のプロセスを一緒に歩いてあげることで育っていきます。お子さんとの会話に上記のようなプロセスがあるのかを一度振り返ってみてくださいね。

 

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Sunny Chung MBA, MCP, RCC, CPF

カナダ・BC州認定心理カウンセラー。 BC州認定アドラーペアレンティング・エデュケーター。クシ・アカデミー認定マクロビオティック・インストラクター。スピリチュアルカウンセラー。アメリカで心理学学士号&経営学修士、カナダで心理学カウンセリング修士取得。10年間アメリカ・カナダの企業でコミュニケーション、人間関係、パフォーマンスなどをコーチング。心理カウンセリングはアドラー心理学、CBT、脳科学、およびアートセラピーをもとに、世界でここしかないホリスティックなカウンセリングを日・英語で提供している。また、いろいろなテーマで各種セミナーを随時開催。カウンセリング&ワークショップの詳細はウェブサイトから。
www.sunnychung.ca

 

 

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