2019年11月7日 第45号

子供にレクチャーするより、『理解』を示すことを意識してみましょう!

子供の頃あなたはどんな習い事をしていましたか? 私は、習字、絵、そろばん、ピアノ。週末はソフトボールをして、塾にも通っていました。また、夏や冬休みは手芸屋さんに通い、編み物もしていました。 そして、時間が空いた時に友達と遊ぶという感じでした。学校の友人達も習い事を沢山していたので、私もやった方がいいと思い、頑張っていました。全ての習い事は私が親に頼んでやらせてもらったものですが、かなりのハードスケジュール。恐らくみなさんも子供の頃はこのようなスケジュールだったのではないでしょうか。今振り返ってみると、私の両親は勉強をしろとか習い事をしなさいと言わなかったので、やりたいときにやらせてもらい、やめるときも自分のタイミングでやめさせてもらっていました。ただ、一つ『石の上にも3年ルール』があり、すぐに諦めないが条件でした。おかげさまで、自分に合っているもの、合っていないものの区別を自分自身で見つけることができたように思います。

勝ち組にさせたい親の切迫感

 親が子供に『将来こうなってほしい』という気持ちが強すぎると、子供は自分が『やりたいからやっている』のか、『やらされているからやっている』のかがよく分からなくなってしまいます。そんな混乱している子供に、 『なんでできないの?!』と怒るのは逆効果です。怒られると子供は反抗するかフリーズしてしまい、なんでできないのか考える余裕もなくなってしまいます。それでも諦めず、親は『自分の意見を言いなさい』と、子供の気持ちを追い込みやる気を出さそうとするでしょう。子供は、怒られるから一時的にやるかもしれませんが、それも長くは続きません。親は、怒ったら子供が一時的にも行動するため、『この子は怒らないとやらない』と強く思い込んでしまいます。そして、『やらない』、『やらせる』の緊迫感が親子の中で芽生え、徐々に子供の心に『誰も私の気持ちを分かってくれない』という絶望と孤独を感じてくるようになり、徐々に自分の気持ちが分からないようになります。

子供は怒らなくてもやる!

 子供はもともと、『見て、見て!』と、親の関心を得ながら安心感を育てていきます。子供は安心ができると、自分の力を徐々に出すことが可能になってきます。ところが、親によく叱られている子供は、親が自分を本当に見てくれているのかとても不安に思います。そして、親が私に関心を向けるときは、『私がやらないとき』と認識してしまうと、子供は無意識で親の関心を引くために『できない子』選択をし、親にもっと見てもらおうとします。もしあなたが『子供に怒ってばっかりで…』と自己嫌悪になっている場合は、あなたの子供時代を少し思い出してみてください。あなたはどんな時に親から構ってもらえましたか? できる時でしたか、それともできない時だったでしょうか? また、できた時に褒めてもらえない子は、『できて当然』と感じてしまい、自分の目指しているゴールがどこにあるのか見失ってしまいます。

まずは子供の心を理解するように努力してみよう!

 子供を叱ったり、 レクチャーして、答えを先に与えてしまうと、子供に自信がつきません。まずは何ができないのかを理解するようにしてみてください。例えば、『もっと早く始めていたら、こんなことにはならなかったでしょ!』というのを、『この子は何につまずいているんだろう。どんなサポートが必要で、どんなふうに教えてあげたらいいかなぁ?』とまず少しクッションを取ることで、お子さんをもう少し理解できるようになるかもしれません。

 


Sunny Chung MBA, MCP, RCC, CPF

カナダ・BC州認定心理カウンセラー。 BC州認定アドラーペアレンティング・エデュケーター。クシ・アカデミー認定マクロビオティック・インストラクター。スピリチュアルカウンセラー。アメリカで心理学学士号&経営学修士、カナダで心理学カウンセリング修士取得。10年間アメリカ・カナダの企業でコミュニケーション、人間関係、パフォーマンスなどをコーチング。心理カウンセリングはアドラー心理学、CBT、脳科学、およびアートセラピーをもとに、世界でここしかないホリスティックなカウンセリングを日・英語で提供している。また、いろいろなテーマで各種セミナーを随時開催。カウンセリング&ワークショップの詳細はウェブサイトから。
www.sunnychung.ca

 

 

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