Vancouver Shinpo - この人にFOCUS

カナダで国際結婚をして子育てをしながら仕事に就き、その上、自分の趣味を持って人生をエンジョイしている美由紀さんどのような経過で現在の美由紀さんがあるのかを聞いた。

配達しやすいように右ハンドルで作られた郵便配達車を運転する美由紀さん

カナダでの職歴を教えて頂けますか？
1990年にワーキング・ホリデー・ビザを取得して渡加しカルガリーに居住。ワーホリ時代にはハウス・キーピングの仕事、その後、ウェイトレスをしていました。結婚後はESLのコース、そして、トラベル・エージェントの９ヵ月コースを修了しました。1994年に憧れていた地上職の募集をカナディアン航空が募集していたので応募しました。事前の入念な情報収集と前述のコースで勉強していたことが功を奏したのか、めでたく採用となりました。パートタイマーでしたが、当時はカナダ旅行ブーム。特に日本人団体客は後を絶たず、残業することも多くなり一日12時間勤務を果たしたこともありました。夫の親が子どもの面倒をみてくれていたので、このような勤務体系でも仕事を続けることができました。

カナダ・ポストのレター・キャリアーへの転職について教えて頂けますか？
2001年の911事件の後、航空業界は下降していきました。カナディアン航空は2004年に大量解雇し、私もその中に入っていました。ちょうど求職していた夫が応募したカナダ・ポストより入社試験の連絡が入りました。ところが、夫は少し前に雇用先が決まっていたので、私がその職に応募することになりました。90分間の筆記テスト、面接、そして約1時間の運転テストに合格して、まったく予想もしていなかった仕事に就くことになりました。

レター・キャリアーのお仕事について教えて下さい。
アル・ワーカーとして雇用し、年功序列の順に正社員の役職に就いていく方式です。2004年前後は大量に雇用枠があり、私は１年９ヶ月ほどで正パート社員に、そして、その約８ヵ月後にフルタイムの社員になれました。ところが、なかなか自分の担当するルートはもらえず、仕事欠勤の人のルートをカバーすることになりました。配達の仕事は重量と障害物との勝負。雪に埋もれながら歩いたり、犬に吠えられることもあります。冬は殊に厳しく、荷物の重さ、雪と寒さとの戦いでした。朝７時に出社した時点で体感-49℃という日のこと。-50℃以下でないと配達中止が発令できない決まりですが、配達しないと翌日にその分を配達しなければならないので私を含めてほとんどのレター・キャリアーは外に配達に向かいました。このようなこともありましたが、カルガリーは快晴の日が多かったので、寒い中でも気分は明るくいられ、景色も楽しめました。

ケロウナへ引っ越した経緯はどのようなものでしたか？
私たちは2009年の春休みに初めてケロウナに遊びに来て、湖と山に囲まれているこの町が大好きになりました。カルガリーで長い冬を外の仕事をしながら過ごすのが辛くなってきた時だったので、「転勤できる機会ができたらここにしよう！」と夫と決めました。半年後、夫の勤務する会社でケロウナに空きが出たので応募すると、採用に。私のカナダ・ポストの仕事は移動が可能なのですが、年功序列順です。すぐに申し込みをし、2010 年9月からケロウナで働くことになりました。パートで働き始めましたが、最初は町の地名や場所などがカルガリーとは全く違うので、かなり戸惑いました。さまざまなストレスを感じながら仕事をしていた上、乗っていた車の事故に2回もあったりと大変でした。やっと町と仕事に慣れて落ち着いて仕事ができるようになるのに暫く掛かりました。カルガリーで過ごした私たち家族にとって最初に迎えたケロウナでの冬は感動的でした。気温があまり下がらず、雪も少なく、そして、何よりも短い嬉しい冬となりました。

このお仕事を続けるための健康管理の方法を教えて頂けますか？
小学生時代から水泳を習い、中学一年の時に全国大会に出場しました。体力には自信がありましたが、３人の娘を出産後、ダイエットと健康維持のため一生続けられそうなランニングを始めて今年で11年目となりました。毎年、目標としていくつかレースを選んで自分に課してきましたが、今年は怪我もあり、思うような成果が得られませんでした。2013年は８月のアップル・トライアスロンを大きな目標と決め、それに向けてトレーニングをしています。
「モットーとして、何事にも感謝し前向きに楽しいことを考えて生きていきたいと思っています」という気持ちを持ち続け、幸運を引き寄せている美由紀さん。これからもご活躍を！

（取材：北風　かんな）

プロフィール：
みゆきばんだいリンディブーム