2016年9月1日 第36号

 食に関する思い出はいつまでも心に強く残るものです。私は小さい時分からお料理が好きで、そして食べることが好きでした。祖父が丹精込めて育てた野菜で母が心のこもった料理を作ってくれました。祖父と一緒に畑に行き、草挽き、虫取り、収穫の手伝いをし、台所では母の横に立って料理の手伝いをしました。野菜の切り方、味付けや盛り付けを学び、そして一番の楽しみはやはりつまみ食いでした。

 高校卒業後、大学生活のため京都で一人暮らしをはじめました。引っ越しを手伝いに母が京都まで来てくれましたが、和歌山に帰る日、魚の煮つけをその日の夕ご飯にと作ってくれ、その夜は寂しくて、一人で涙をこぼしながら一人で魚の煮つけを食べたのを覚えています。

 一人暮らしを始めてからは、料理本を見ながら、新しいレシピに挑戦し、気の合う仲間と色々な店に食べ歩きをしました。仕事先の『京都とり料理瀬戸』で地元の食材を使った素朴な料理の素晴らしさや、おもてなしの心を学びました。

 カナダに移住し、結婚、そして出産し、食に対する考え方が、少し変わりました。子供が生まれてからは手作りできるものは、できるだけ手作りし、栄養面に気を使うようになりました。手づくりすればお砂糖やお塩の量も調整できます。前々回紹介したあずきアイスバーもそうですが、日本では簡単に手に入るものも、こちらでは手に入らないという理由で手づくりせざるを得ないというのも理由の一つなのですが、作ってみると意外と簡単なものもあり、手づくりしたものは作ってくれた人の心がこもっていて、やはりおいしいですよね。

 若い時分は、私自身、偏食またスナック菓子を食事代わりにしたこともありましたが、子供の頃にしっかり食育をされている子供は大人になれば栄養バランスのとれた食事を心がけるようになります。

 先日、日本食スーパーで土付きらっきょうを見つけました。うれしくて早速、らっきょうの甘酢漬けを作りました。これも母が昔作ってくれたものの一つです。土付きは丁寧に皮をむいて処理しなければなりませんが、季節の手仕事を楽しみました。今回紹介する姉から教えてもらった、きゅうりのわさび漬け。お漬物もこちらで簡単に手に入らないものの一つですが、このきゅうりのわさび漬けは超簡単。一度試してください。ご飯がすすみますし、お酒のおつまみにも最適! 

(文 鈴木 公子)

 

 

きゅうりのわさび漬け

材料
きゅうり(できればミニきゅうりか日本のきゅうり)500グラム
砂糖 70グラム
塩 20グラム
チューブ入りわさび 半分(約20グラム)

作り方
ボールかタッパーに砂糖、塩、わさび、乱切りにしたきゅうりをいれてよく混ぜる。一晩冷蔵庫に入れておく。時々混ぜてください。

 

 

 

 


鈴木 公子(すずき きみこ):和歌山県出身。ノースバンクーバーを拠点に旬の野菜、地元の食材を使った和食を発信。
母親から本当の家庭料理を学び、ミシュラン一つ星、京都とり料理瀬戸の女将さんから『おもてなしの心』を学ぶ。
Cook Culture及びWell Fed Studioの和食インストラクター。UBC Farmにて和食のワークショップ開催予定。edible Vancouver wine and country にて記事掲載。
www.kimikoskitchen.wordpress.com

 

 

 

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