2018年2月1日 第5号
日本では2月3日は節分の日です。前日の2日は恵方巻きや鬼のお面など、節分の準備をされるご家庭も多いことでしょう。カナダでは、2日にテレビをつけると必ずと言ってよいほど「グラウンドホッグ」が登場します。ミニチュアの熊のようなかわいらしい風貌のグラウンドホッグは、リス科の一部で、北米に広く生息しているのですが、2月2日には、春の訪れがいつになるのかを知らせてくれることになっています。この日、冬眠から目覚めるグラウンドホッグは、巣から外に出て、自分の影を見ると、驚いて巣穴に戻るのですが、その場合、冬があと6週間続くとされ、巣穴に戻らない場合は、春が迫っていると信じられています。
その昔、動物や自然崇拝が普及していた、ヨーロッパの一部、現在のドイツにあたる地域では、アナグマ(イタチ科)に春の訪れを予知する力があると信じられていました。村人たちはアナグマの動きを見て、農作物を植えるタイミングを計っていたようです。のちにドイツから北米に移民した人たちが新天地でもこの風習を続け、現在のグラウンドホッグ・デーに至るようです。
カナダでは1956年に、オンタリオ州ワイアートンで、白色をしたグラウンドホッグ『ウィリー』が登場し、グランドホッグのお天気占いが一気に有名になりました。実際の的中率は不明ですが、節分の準備をしながら、春の訪れをグランドホッグに予想してもらうのも楽しいでしょう。ちなみに今年のウィリーのオフィシャル予報時刻は午前8時7分(東部標準時)となっています。
詳細は http://www.southbrucepeninsula.com/en/wiartonwillie/welcome.asp
■ 小倉マコ プロフィール
カナダ在住ライター。バンクーバー新報での「まるごとカナダ」「小倉マコのオタワ便り」コラムを始め、新聞記者、コミックエッセイ「姑は外国人」(角川書店)で原作も担当。フェイスブックも始めました!読者の皆さんと繋がれたら嬉しいです。https://www.facebook.com/ogura.mako1