2018年1月1日 第1号

 あけましておめでとうございます。バンクーバー新報新年号となりました。読者の皆さま、今年もどうぞよろしくお願いします。昨年に引き続き、今年もフェイスブックを通して、さらに皆様とつながれたら嬉しいです。コメントも楽しく読ませていただいています!

 さて現在首都オタワでは、カナダ建国150周年を締めくくるにあたり、12月7日から国会議事堂前に、「屋外スケートリンク」が登場してしまいました。すでにこの街には、世界的に有名な7.8キロのリドー運河の屋外無料リンクが、ダウンタウンのど真ん中にあるのですが…。アイスホッケーを愛する国家には、ギネス世界記録に登録されるスケートリンクがひとつあるだけでは、物足りないのかもしれません。

 この新しいスケートリンクは、2月25日までの期間限定で、一般に無料公開されています。今の時期は国会議事堂はもちろんのこと、ダウンタウンはピカピカと光るクリスマスイルミネーションに包まれ、まるでおとぎ話のなかにいるようです。本リンクは夜の10時まで開いているので、イルミネーションがきれいな夕方からが狙いどころでしょう。

 ただ、この一生に一度と呼ばれる期間限定リンクが登場してくれたのは喜ばしいことなのですが、連邦政府が本アイスリンクの製作ならびに運営費用に約560万ドルもかけたことを聞いて(そして費用はさらに上がる予定)、政府の税金の使い道に疑問を感じる国民の声もあがっています。まだまだホームレスや貧困層が存在する社会のなか、余っている予算があるのなら、世界一の屋外スケートリンクがあるオタワにまた別の大規模なスケートリンクをはると言った、物質的な喜びに税金を使うのではなく、困っている誰かの生活を支援しようと言った精神的喜びに焦点をあてた使い道もあったように思ってしまいます。

 

 


 ■ 小倉マコ プロフィール

カナダ在住ライター。バンクーバー新報での「まるごとカナダ」「小倉マコのオタワ便り」コラムを始め、新聞記者、コミックエッセイ「姑は外国人」(角川書店)で原作も担当。フェイスブックも始めました!読者の皆さんと繋がれたら嬉しいです。https://www.facebook.com/ogura.mako1

 

読者の皆様へ

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