Kaiさんは、動物の気持ちや体調に敏感で、その繊細な感覚をアニマルマッサージやレイキの仕事に生かしている。「うちの犬は繊細で怖がりだったんですが、Kaiさんのレイキとマッサージを受けてからリラックスしてよく寝るようになりました」と顧客のヒロコさん。そんなKaiさんに生き物との関わりから話を聞かせてもらった。
小さい頃から生き物をたくさん育てていたそうですね。
インコ、カメ、カエル、ザリガニ、トカゲ、犬、猫などです。心に残っているのはアゲハ蝶です。青虫から育てた蝶が、さなぎから出て最初に飛び立った時に、私の頭の上で3回回ってから離れていったんです。3羽育てたんですが、3羽ともそうしてくれたんですよ。
それは感激ですね!KaiさんはBCフェリーで鯨を見つけるのも得意とか。どのようにわかるんですか?
神戸の地震を体験したんですが、地震が起こる前のズンと伝わってくる感じと似た感覚があるんです。それで「あっち!」「こっち!」と鯨の出てくるところを指していたら、その通りに鯨が現れるので、どんどん人が集まっちゃって…。船が傾いちゃうんじゃないかと心配しちゃいました。
ところで仕事の話ですが、最近は飼い主を対象とした動物マッサージやレイキの講習会も始めましたね。どんな動機の人が参加していますか?
「前の犬がガンで亡くなったから今度は長生きしてほしい」とか、「ナーバスな犬だから落ち着かせたい」と言った声がありました。そうした繊細な犬も連れてこられていたんですが、皆、マッサージを始めて30分もするとおとなしくなって寝ていましたね。普段、セッションに来るお客さんは切羽詰まってから来られることが多いんですが、日頃のメンテナンスに力を入れてほしいと思って、ワークショップでは家庭でも簡単に行えるマッサージテクニックを伝えています。それで獣医に行く回数が減ればいいなと。講習費の方が安いですし(笑)。
虐待されていた象や豚の保護施設での活動など、国内外で動物を守る活動も数々経験していますね。
デービーストリートのKFCの前で、4年間毎週、KFCがニワトリを虐待している様子を伝える写真を見せていたんですが、店から出てきたお客さんからフライドチキンを投げつけられたこともあります。でも活動したおかげでニワトリの扱いが改善され、カナダだけベジタリアンチキンバーガーが販売されてたんですよ。
どんな思いがそうした動物愛護活動を支えているのですか?
私は動物が人間より下等な生き物だとは思いません。動物がいないと人間は存在しませんよね。だからいつも動物に対してのリスペクトを忘れないでいたいんです。
取材中、2週間で行方不明中の犬、猫3匹に遭遇、ブルージェイが頭の上を飛んで回った、数十頭の象が近づいてきた、シロナガス鯨がお腹を見せてあいさつなどエピソードが続出。動物たちがKaiさんを慕い、頼りにしている様子がひしひしと伝わってきた。気さくで飾り気のないKaiさんの中の揺るがない使命感も感じ、身の引き締まる思いだ。
(取材 平野香利)
Kaiさん:動物マッサージセラピスト、動物リフレクロソジスト、耳つぼセラピスト、レイキマスターの資格保持者。2007年にマッサージとレイキによる動物へのセッションを開始。動物愛護活動にも積極的だ。
Tel : 778-232-0614
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2012年3月8日 第10号 掲載