2018年4月19日 第16号

先月号は、「予告⇒先見力⇒明確な目標」というタイトルでしたが、目標をもつことはなにも子供だけに限らず、誰にでも必要なことだと思います。

以前、こんな話を聞いたことがあります。80歳の方が突然英語を習い始めたので「なぜ今さら英語を習う必要があるのかね?」と周囲に笑われたそうです。しかしその方は「今世で努力をしていると、来世で生まれ変わった時に更にラクになるから…」。老いてまでも目標を持っていると、いつまでも充実した人生を過ごせるという証ですね。

 

 さて、今月号も、前回に続き3つめの課題です。

課題:テレビのチャンネル権は父親を優先にしてみましょう。

結果:この課題は現代にはそぐわなかったのか、私が思うような結果は得られませんでした。それは家庭内の娯楽がテレビ以外にもあることと、各家庭でテレビの所有台数が増えているからです。

 この課題を出した背景は、テレビのチャンネル権の優先順位のことだけを言いたかったのではありません。

 プライベートや職場などで相手と自分との関係性を忘れて、意見を主張しすぎる人がいます。一方で意見が食い違っても穏やかに話す人もいます。その違いに疑問を感じていました。そこでその大元の原因はどこにあるのか? その一つとして、このチャンネル権を奪い合う場面が想像されたのです。

 

★福本の経験 

 私が子供の頃、夕方になると父が仕事から帰ってきました。その時間は私達兄妹が、面白いテレビを見ている真っ最中です。私と兄は、番組が終わるまで帰らないように願っていました。でもいつも通り帰ってくると、母から「お父さんにテレビを見せないとね…」と静かな口調で言われます。私達は渋々言うことをききました。子供の頃はそれが当たり前だと思っていましたが、大人になって父親を優先させることや子供を納得させるためには、強制するより静かな口調で話した方が効果的であることに気付かされました。そして母親になった私自身、あの時の母を真似て、チャンネル権は父親優先を娘達が幼い頃から成人になった今も実行しています。家の中に厳しい存在がいること、また普段から、母親が父親の言うことを聞く姿を見本として見せることで、年上には反抗するものではないことが自然に伝わり、躾がうまくいったように思います。

 見たい番組を「お父さんに見せてあげましょう」というと初めは子供は泣くかもしれません。でも泣く子供がかわいそうだと思い、大人に我慢をしてもらうと、泣けば意見が通ると勘違いをさせてしまいます。私も若い頃は、まだ小さいのだからそのうち言うことを聞くようになるのではないかと思っていました。しかしあるお年寄りの話で、「小さいときに親の言うことをきかない子は、やはり大きくなっても言うことをきかない」と聞いたことがあります。そうなっては後の祭り。親も本人も周囲も大変です。

 そしてこの原稿を書いている最中に、このタイトルを裏付けるような出来事が仕事先で起こりました。

 あることに不満を持った社員が、上司に大声で口答えをしたのです。一瞬で職場の空気は悪くなりました。少し間をおいてから、私は「〇〇さんは、正直に自分の気持ちを言ってくれたのですよね」とフォローしました。もちろん最後は丸く収まったのですが、こういう場面をみると、もしかしたら子供の頃にわがままを押し通してきたのではないか、あるいは周囲に静かに話す人がいなかったのか、いてもその話し方の良さに気付けなかったのではないか、と、その口調から想像してしまいました。誰でも異論に対して冷静でいることは難しいことです。私自身も忘れているだけで、過去に悪気がなくてもつい声が大きくなってしまったこともあったかもしれません。先ほどの不満を持った社員も本当は悪気などないと思うのです。だからこそ、感情をコントロールすることを知らないと誰よりも自分が損をしてしまう、ということを幼い時に上手に教えてあげてほしいと思ったのです。

 今回はテレビのチャンネル権は父親を優先にしてみましょう、という課題でしたが、これは時に感情をコントロールしなければならないことを教える絶好の場面だと思います。

 皆さんはどのように考えますか?

 


 

著書紹介
2012年光文社より刊行。「帝国ホテルで学んだ無限リピート接客術」一瞬の出会いを永遠に変える魔法の7か条。アマゾンで接客部門2位となる。
お客様の心の声をいち早く聞き取り要望に応えリピーターになりたくさせる術を公開。小さな一手間がお客様の心を動かす。ビジネスだけでなくプライベートシーンでも役立つ本と好評。

福本衣李子 (ふくもと・えりこ)プロフィール
青森県八戸市出身。接客コンサルタント。1978年帝国ホテルに入社。客室、レストラン、ルームサービスを経験。1983年結婚退職。1998年帝国ホテル子会社インペリアルエンタープライズ入社。関連会社の和食店女将となる。2005年スタッフ教育の会社『オフィスRan』を起業。2008年より(社)日本ホテル・レストラン技能協会にて日本料理、西洋料理、中国料理、テーブルマナー講師認定。FBO協会にて利き酒師認定。

 

 

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