2016年12月1日 第49号
それぞれの国にはその国特有の行事があり、行事と食文化は強く結びついています。ここバンクーバーは多国籍都市といわれるほどあって、様々な国の人が共存しているため、各国特有の行事やお祝いの仕方が経験できます。日本でも毎月といっていいほど、色々な行事がありますね。日本を離れてカナダに住んでいると、日本の行事ごとのお祝いはなかなかしにくいものです。ハロウィンが終わり、クリスマス、そして新年を迎えますが、ここカナダではクリスマスのお祝いが盛大に行われるため、日本のお正月気分にはなりにくいもの。
お正月といえばおせち料理ですが、何品も作ろうと頑張りすぎないで、数品だけでも手作りしてみませんか。重箱がなくても大皿に盛りつけたり、銘々膳を作り、竹の葉や松をお料理に添えるとぐんと雰囲気が出ます。元旦の朝、お雑煮と数品のおせち料理でお祝いすると気分も引き締まり、家族で新年の抱負、目標を話したり、おせち料理にまつわる意味を改めて子供達に教えるのもいいことですね。国特有の行事と食文化はみんなが努力して残していくものだと思います。
(文 鈴木 公子)
今回はおせち料理の代表、黒豆をご紹介します。下準備だけすれば、後は火にかけてじっくり炊くだけ。冷蔵庫で保存すれば一週間以上日持ちしますし、プレーンなパウンドケーキやマフィンの生地に黒豆を混ぜ込み焼いてもおいしいですよ。甘すぎない鈴木家の代々伝わる黒豆レシピです。
材料 一人分
・黒豆 700g(乾燥したもの)
・水 2400ml+200ml
・重曹(ベーキングソーダ) 小さじ 1
・砂糖 500g
・醤油 100ml
・塩 小さじ2
作り方
1、黒豆を水洗いし、ざるにあげ水気を切る。
2、大きめのお鍋に水2400mlを入れ、沸騰させ、重曹(ベーキングソーダ)、砂糖、醤油、塩を加え、砂糖が溶けるまでまぜる。
3、黒豆を加え、蓋をし、4〜5時間もしくは一晩そのまま置く。
4、4〜5時間もしくは一晩置いた後、黒豆が入った鍋を中火にかけ、沸騰したら、水100mlのさし水をして上に浮く泡を玉杓子で丁寧にすくい取る。再び沸騰したら、また100mlのさし水をする。
5、弱火にし、落し蓋をし、鍋蓋をし8〜10時間黒豆が柔らかくなるまで煮る。(黒豆により6〜7時間で煮えるものもあります。)
6、煮あがったら煮汁につけたまま一昼夜おき、味を充分に含ませる。
鈴木 公子(すずき きみこ):和歌山県出身。ノースバンクーバーを拠点に旬の野菜、地元の食材を使った和食を発信。
母親から本当の家庭料理を学び、ミシュラン一つ星、京都とり料理瀬戸の女将さんから『おもてなしの心』を学ぶ。
Cook Culture及びWell Fed Studioの和食インストラクター。UBC Farmにて和食のワークショップ開催予定。edible Vancouver wine and country にて記事掲載。
www.kimikoskitchen.wordpress.com