2018年11月15日 第46号
カナダにおいてこの記念日制定について色々と論議されていますが、今回、大局的でなく、私見で申し訳ありませんが、我が家を中心とした考えを述べさせて頂きたいと思います。
この件につき、私なりにどう対処すべきか考えてきましたが、まず、真実性については、色々な証言を基にする限り、数は別として実際あったことと判断したうえで意見を述べたいと思います。
私も戦中派の一人として、実際に戦場(中国)での体験談を聞かされたことがありますが、大なり小なりこれに似た事件はあったと直接聞かされました。
それは軍の命令に従った事件から始まって、正当防衛に至るまで、色々の事情のもとに尊い命が消されていった経過を直接当事者から聞かされました。その時、時の大勢に押し流されて虐殺まで行ったケースもあったかもしれませんが、当時の戦場で便衣兵と遭遇し、相手を殺して生き残った人達も非常にその行為を悔いておりました。だが今ある命は、あの時の寸時の判断だったと涙ながらに述懐されていた姿を思い出すときに、生きるか死ぬかの瀬戸際で、自分ならどういう決断をしただろうかと深く考えさせられました。この方の罪はB級、C級の罪にも問われませんでしたが、本人は一生涯その罪を悔いておりました。罪の償いといえば、東京裁判で全てが拭い去られたとは思いませんが、勝者が敗者を裁く例のごとく、それなりに罪は償われてきたと思われます。
いつの世も『勝てば官軍負ければ賊軍』で敗者は常に罪を押し付けられるのが常であり、現状でも、日々非戦闘員の命が数多く消えているのを見るにつけ、この地球上に戦いが無くならない限り、この惨状は継続してゆくことでしょう。
ところで…話を元に戻して、我が家との関係はという、ごく小さな範囲での事になりますが、我が家の次女は中国系カナダ人と結ばれて、その間に出来た子は、私と血を分けた孫に当たります。
私は、この問題が論議し始められた時から、この問題にどう対処すべきか大いに悩んできました。
まず、真実はどうなのか、加害者と見なされる日本人の一人として、娘婿、その家族、特に自分の血を引く孫にどう対処すべきか、真実を知るしかないと探求したが、正しい答えは見つからず、その時が来たら正当な答えを出せるかどうか、否定する自信はなく、また、自分が謝って済むものではないことぐらいは分かるにつけ、出た結論は、史実は真として認め、勝手かもしれんが、自分自身の生き方から公正に判断をして貰う以外に道はなく、我が家にとっては、凛とした態度で臨むしかこの問題の解決方法はないと判断いたしました。この世の中、特に過去には色々ないきさつもあったが、『この爺の毎日の生き様を見て判断してくれ』と言う以外に道はないのではないかという結論で、今後は言葉ではなく態度で示して行こうと自分にいいきかせているところです。
特に次女の立場を考える時、その中間に立って、どういう思いをするであろうか、そういう時には、親である私の言動が非常に重要になってくると考えられ、ますます自重すると共に、何事にも真摯に家族と接して行かねばと自分に言い聞かせております。
また記念日制定については、最終的に、議会でどう決議されるかですが、私はカナダ人の良識ある判断を信じております。
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