2017年7月20日 第29号

 今年のカナダ・デー(7月1日)は丁度土曜日にあたり、建国150周年を迎えるにふさわしいロングウィークエンドの始まりの日だった。国中がお祝いムードに包まれ、ビクトリアも好天気で赤白のメープルリーフの国旗が至る所ではためいた。

 観光シーズンの真っ最中でもありダウンタウンは大変な人出。夜10時半頃から始まった花火大会で気分は最高潮になったが、それはほんの10分ほど続いただけで「おやまあ、この程度の花火は日本なら何処か小さな市町村でも見られるわぁ…」なんて内心思ったものだ。

 まあ、そんな皮肉っぽい見方はさて置いて、特別な祭典には特に数が増すスッキリとしたデザインのカナダの国旗が私は大好きだ。だが当地の新聞によると、近年のカナダデーの旗の数は減少傾向にるあるとか。しかし世界広しと言えども、これ程国旗らしい国旗も珍しいと思うし一目で印象に残る。

 オリンピックでいつも感じるのは、各種の国旗がはためいても色の配合がゴッチャになり一般の人には区別が付きにくいことだ。例えば「フランス・ロシア・オランダ」「イタリア・ブルガリア・ハンガリー」など並び方が異なるだけで同系色の配合である。北欧の国々に至っては基本のバックの色が違うところに色違いの十字が配置され、それぞれの色に意味があり国民の思いが込められているのだろうが、どこの国の旗か容易には分からない。

 シンプルで人の記憶に残る図柄と言えば日本の国旗も負けてはいない。真ん中の赤は「日出る国」を意味するものだが、これは聖徳太子が遣唐使に託した文書に自国をこのように書いて以来の言葉だとは、遠い昔に歴史の時間で習ったのを思い出す。

 一般に「日の丸」と呼ばれる旗の正式名は「日章旗」で、日本にはこれ以外にもバックの色が赤で日章旗の真ん中の赤の代わりに菊の紋章が入る「天皇旗」とか、朝日が輝いているように見える「旭日旗」等などがある。不幸にも先の大戦での負の記憶がゴッチャに交差して、特にこの「旭日旗」には今でも不快感を表す日本人や近隣諸国の人々がいるのは確かだ。

 後1カ月で日本は8月15日の終戦記念日を迎える。国旗と対になって毎年話題に上るのが政治家たちによる靖国神社参拝だ。来月早々には内閣の改造が行われる予定で、稲田明美防衛大臣の解任が決まった。あの程度の容姿でも国際会議の席上で自分を「pretty」と自画自賛する愚かさや、立場の認識に欠ける浅はかな人が去るのを惜しむ声はないだろう。だが昨年暮れには外交・安全保障政策を担う現職閣僚であったにもかかわらず靖国神社を参拝し物議をかもした。

 カナダでは首都オタワに1936年に建設され、その後幾つもの戦争で犠牲になった人々も加えられている慰霊塔がある。

 国のために戦った兵士たちを弔うのは真に持って当たり前のことだが、靖国神社ではそれが素直に行えない。周知の通り、理由はA級戦犯(太平洋戦争の責任を負った罪人たち)7人が祀られている(遺骨はない)からである。それ故に国賓も今生天皇も参拝しない。

 2015年の総務省の発表では、戦後生まれ(昭和20年以降)が8割になったと発表した。戦争の記憶が薄れる前に新たな場所に国立の無宗教慰霊塔造り、誰もがわだかまりなく参拝できる場所を建設すべきではないかとつくづく思う。

 

 

 


サンダース宮松敬子氏 プロフィール
フリーランス・ジャーナリスト。カナダ在住40余年。3年前に「芸術文化の中心」である大都会トロントから「文化は自然」のビクトリアに移住。相違に驚いたもののやはり「住めば都」。海からのオゾンを吸いながら、変わらずに物書き業にいそしんでいる。*「V島 見たり聴いたり」は月1回の連載です。(編集部)

 

 

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