2019年7月18日 第29号
日本語で「スペア」というと「代わりの」という意味で使われるのをよく耳にする。スペアキーとかスペアパーツのような表現はご安心くだされ、英語でも十分通じる。 しかし英語のスペア“spare”は他の使われ方もある。“spare”は“extra”、“free”と同じ意味でも使われる。
Spare room「余分の部屋」
Spare time「暇な時間」
“What do you do in your spare time?” 「暇なとき何してるの」
会話をつなげるにはもってこいの言葉だ。
また別の例として、北米のホームレスの人たちから“Spare change?”と言われたことがあるかもしれない。これは「小銭をください」と言っているのである。(言葉がわからなくても察したかもしれないが)
“change”は当然ながら「小銭」(この場合は複数でも“change”、だからコイン一枚と聞いているわけではない)、で“spare”は“spare me”の略で、”give me”、または、“give up for me”と同じ意味がある。だから簡単に言えば“give me some change”といっているわけなのだが、“spare”という言葉を使うことで、相手の同情心、憐みの気持ちから差し出す状態を示している。
それで“Spare change”は、正確に言うと“Can you spare me some change?”「いくらか小銭を分けてくださいませんか」という要求文となる。決して貧しい人だけが使うわけではなく、車を路上に駐車する際にパーキングメーターに入れる小銭を友達に求める際に使ってもおかしくはない。また“spare me”は、”save me”と同じ意味がある。「命だけはご勘弁を」というセリフが“Spare me”なのだ。この応用で、“Save me some food”と言えば、「わたしの分もご飯残しておいてね」という意味で使われる。
同じく“Spare me some food”と言っても、ほぼ同じ意味になる。
最後に、“sparing”(スペアリング)と言えば、資源やエネルギーの浪費を避けるための節約する様を表す形容語でもある。地球のスペアはないために資源をスペアリングすることにより、よりよい環境にしたいものである。
(文・イラスト 亀谷長政)