2019年1月17日 第3号
レトロスペクトとは過去を振り返ること、いわゆる「回顧(かいこ)」。英語では単に“looking back”と言うこともできる。
Looking back, I made so many decisions without thinking about consequences. 「思えば結果を考えずにいろいろ決定下してたな」
In retrospect, I could have made better choices in my life. 「振り返れば、もっといい選択ができたのではないかと思います」
いずれの場合もどちらかと言えば後悔しがちに聞こえるが、別に常にそうとは限らない。しかし“retrospect”は特に振り返ってみると見えていなかった部分があった、という意味合いが含まれることが多い。
その場合は前述にあるように“could have”、または“should have”を使うとよい。それぞれ「することができていた(はず)」、または「そうするべきであった」(過去完了)という意味を含ませる。
You could have gone without me. 「わたし抜きで行けたはずなのに」
We should have waited till you came.「君が来るまで待つべきだったよ」
あらかじめわかっていれば、前もって教えてくれてたらという表現もこの類に当たるかもしれない。
Had I known that you would come, we would have waited for you. 「君が来るってわかってたら、僕たち君を待っていたよ」
You should have told us beforehand that you were going to come too. 「君も来るって最初から言ってくれたらよかったのに」
こういう後になってでしかわからないことを英語では“hindsight”(ハインドサイト)という。
Hindsight is 20/20. 「過去を振り返る目は視力満点」という意味の言い回し。(20/20は正常視力1.0を表す)
Actually in hindsight, it turned out to be a better outcome. 「実のところ、今となってしかわかないのだが、結果的にはいい結果となった」
“After the fact”も似たような表現で、事後、事が起きた後の結末を示す。
After the fact, we did have a good time because she didn’t come with us. 「事実上彼女が来なかったせいで楽しい時を過ごした」
新年早々振り返るのもどうかと思われがちだが、昨年がんばった点や、もっとできたところなどを「振り返る」ことで、新たな目標を掲げられるはずだ。
(文・イラスト 亀谷長政)