2019年2月21日 第8号

 

有名なスティービー・ワンダーのヒット曲に “I Just Called to Say I Love You”(1984年)という曲があるが、「アイ・ラブ・ユーと言いたくて電話しただけ」という意味である。この「〜だけ」という表現は毎日当たり前のように使われているが、これに相当する英語が “just”(ジャスト)である。

I just wanted to say hello. 「挨拶だけしたかったんです」

I just wanted to give this to you. 「これだけでも渡しときたくて」

I was just in the area. 「ちょっと近所にいただけで」

He was able to speak just a little bit of the English that he knew. 「彼は知ってる英語だけ話すことができた」

では、「これだけ」や「それだけ」は何といえばいいのだろう?

Unfortunately, this is all there is/I have. 「残念だけど、これだけしかないんだよ(これだけしか持っていない)」

Are you going outside in the snow only wearing that? 「あなた雪が積もってる外に出るのに着るのはそれだけ?」

That just shows how much she doesn’t know. 「彼女はそれだけ知らないってことだよ」

No matter how much I explained, he was not willing to listen. 「どれだけ説明しても、彼は聞く耳を持たなかった」

How much evidence do I need to show you to prove that you are wrong? 「君が間違っていることを証明するためにどれだけの証拠を見せればいいんだ?」

Is that all you have? 「君が持っているのはそれだけか?」

What? Is that it? 「え? それだけ?」

What? Just five dollars? 「えぇっ? 5ドルだけ?」

That’s it. 「それだけだ」 

 冒頭で述べた曲は「心の愛」という邦題でリリースされているが、もともとは1979年にスティービー・ワンダーが日本のブレッド&バターと呼ばれるデュオグループに提供した曲らしい。それが原曲がハリウッド映画に使われるということでスティービー・ワンダーが先に発売することになった。ブレッド&バターは1984年に「特別な気持ちで」という曲でリリースしている。

 I just wanted to tell you I love you. That’s it. 「アイ・ラブ・ユーが言いたかっただけなんだ。それだけさ」

 もちろん今は電話よりテキストなんだろうが、そんな特別な気持ちが言えたら、さぞ気持ちいい会話になることだろう。

(文・イラスト 亀谷長政)

 

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