2018年12月13日 第50号

 今年もあと残り少なくなってきました。2018年はあなたにとってどんな年でしたでしょうか。

 私は個人的には引越しから始まり、日本から家族や友達が次々に遊びに来たりして、家族全員が通常の生活ペースに戻るのが難しかった一年になりました。色々な意味で長く会っていない人と直接会話をするということは、会話の盛り上がり方が違い、意思疎通がメールや手紙よりも簡単にできるので、長い時間同じ空間を共有していてもストレスを溜めるというよりは、一緒に時間を過ごすことによってストレスを発散したほうが多かったように思います。それでもいつもとは違う生活ペースを過ごしたことにより、何かしら身体に与えるストレスが起こっていたと思います。

 ストレスが一番始めに身体に影響を与えるのが腎臓の上部にある副腎(Adrenal Glands)です。ストレスを感じると副腎からホルモン(アドレナリン/ノルアドレナリン)を分泌し、体のストレス反応を調節します。そのため、他の人が風邪をひいていても自分だけかからなかったり、またはその逆だったり、ストレスにより免疫力が低下したりするのを予防してくれるのですが、身体に科学的なストレス(例えば喫煙や飲酒)や精神的なストレス(例えば仕事のストレスやいじめなど)を常に受け続けていると、風邪やインフルエンザ、帯状湿疹などの軽度の病気ではなく、ガンを発症することもあります。

 最近では20代の青年が胃ガンを発症させ、亡くなるという話もあがるほど、ガンは高齢になって侵されやすい病気ではなくなってきました。 

 ストレスと一言で言っても難しいのですが、人それぞれ何がストレスに値するのかが違い、ある人にはこんな簡単なことで悩んでいたのか!と思えることも多々あります。そのため自分だけではなく、他の人の話も聞いたり、話したりして自分ひとりで考えたり、抱え込んだりしないように心がけることが大切です。精神面のストレスも化学的なストレスも同じように身体への影響が強いので、日々どんな物を食べ、どんな物を飲んでいるのか、気を配ることもとても大切です。

 喫煙や飲酒は軽量であれば、害とはならず簡単なストレスの発散になるので、あくまでも自分のペースと度合いを考えて摂取するのが良いでしょう。

 残りの2018年、皆様元気にお過ごしください。

 


草野明美 自然医学博士/Naturopathic Doctor

1989年にカナダオンタリオ州に父親の転勤で引越しをし、2002年にトロントにあるCanadian College of Naturopathic Medicine にて修業後、2年ほどバンクーバーの指圧学校で講師/カウンセラーとして自然治癒力の素晴らしさを教えていたが、日本でも同じことができないか一度帰国。その後日本で結婚、出産をし2013年7月に再度家族を連れてバンクーバーに戻ったあと、カルガリーMarket Mall内のNutrition Houseにてサプリメント健康アドバイザーとして勤務。現在は2児の母としてバンクーバーに在住。

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。