2018年11月8日 第45号

 最近は突然雨が振ってきたり晴れになったりして、急に外に出られなかったり、気分転換ができなかったりで、気持ちが沈んでるなと感じてはいませんか?最近なんかふさぎこみがちだなぁ、前はそれほど気にならなかったのに最近特にいろいろなことが気になるなぁと思ったら、鬱病になりかけているのかもしれません。北米では人口の25%が鬱病や何らかの鬱に似た症状に侵され、そのうちの13%の人がひどい鬱病で悩まされています。それくらいカナダではあたりまえの病気なのですが、鬱病とは客観的な見解で病気を診断するので、これを機に鬱病セルフチェックをしてみましょう。

  1. 食欲減退に伴い体重減少 または 食欲旺盛に伴い体重増加
  2. 不眠症 または 過眠症(いつでもどこでもどれだけでも寝ることができる)
  3. 精神運動の停滞 または 興奮
  4. 普段の行動に対する興味の減退 または 性欲減退
  5. 体力減退 と 身体の疲れ
  6. やる気のなさ、自己非難 または 不適切な非難
  7. 考えることができなくなる または 集中ができなくなる
  8. 最近 自殺や死について考えたことがある

 上記の症状が5つ以上あり、最低一カ月続いていれば鬱病であると診断されます。症状が4つであっても鬱病が存在していると考えられています。

 基本、鬱病は脳内ホルモンのバランスがきちんと保たれなくなり、誤った感情表現を引き起こしたりするのです。そのため自然医療医学的な治療法としては、あらゆる鬱病の原因になりかねないであろうという物を食生活から排除したり、ホルモンの漸進になる物を摂取するなどにより症状を緩和させることを目的として行われます。

 鬱病の人は特に、脳内ホルモンの分泌および、神経細胞と身体を動かす細胞との間のシグナル交換に大変必要な分泌物を生成するに当たり必要なビタミンB6、ヨウ素、ビタミンB12、鉄分、ビタミンC、ビタミンB1とオメガ6、必須脂肪酸の摂取不足が見受けられることから、気にしながら食事での摂取またはこの時期だけでもマルチビタミン剤を摂取することをオススメします。

 鬱病や気分のふさぎがちな時は、免疫力が下がっています。だからこそ、自分のアレルギーを発症させる原因の物(アレルゲン)の摂取や接触を避けることに特に気をつけると良いでしょう。雨の多い時期はカビも生えやすいため、この時期にいつも体調が悪くなったり、気分がふさぎこむなどの症状が出る人はカビアレルギーを持っているのかもしれません。一度気にかけてブルーチーズなど、食べることのできるカビがついている食材を避けてみるのも良いでしょう。

 今のところビタミンDと鬱病の直接的な関係は出ていませんが、明るい照明を室内に使うことが鬱病の症状を緩和するという事はわかっています。そのため、この時期だけ室内照明を白色電球に変えるのも良いのではないでしょうか。

 最後にひとつあまり健康的ではないのではないか…というオススメ食材を紹介します。それはチョコレートです。

 誰もがこぞってチョコレートに敏感なのはチョコレート、つまりカカオには脳内ホルモンの漸進となる物質が多く含まれているので、気分を上向きにさせることができるのです。なので適度な量であれば鬱病症状を緩和するお手伝いをすることがあります。ハロウィン後にたくさんあまったチョコレート、ふさぎがちな時に口にするのも悪くはありません。

 誰にでも起こり得る気分の浮き沈みなので、恥ずかしがらず、事実をきちんと受け取り、鬱かな?と思ったら悩まず必ず誰か人に話したり、医師に相談するのも大切です。たまには女子会や男子会、井戸端会議などで発散することも大切です。

 来月はクリスマス、正月、楽しいイベントばかり。楽しいことを考えて、このレインクーバーを乗りきってください。

 


草野明美 自然医学博士/Naturopathic Doctor

1989年にカナダオンタリオ州に父親の転勤で引越しをし、2002年にトロントにあるCanadian College of Naturopathic Medicine にて修業後、2年ほどバンクーバーの指圧学校で講師/カウンセラーとして自然治癒力の素晴らしさを教えていたが、日本でも同じことができないか一度帰国。その後日本で結婚、出産をし2013年7月に再度家族を連れてバンクーバーに戻ったあと、カルガリーMarket Mall内のNutrition Houseにてサプリメント健康アドバイザーとして勤務。現在は2児の母としてバンクーバーに在住。

 

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これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。