2018年7月12日 第28号

 例年に比べ寒かったVancouverもやっと暑くなり夏らしい季節になってきました。そうなると紫外線がとても気になってきます。

 そこで今回は日焼けと共に気をつけておいたほうがいい事についてお話をしたいと思います。 

 毎年、雨不足だといわれ雨が欲しいときもありますが、やはり夏は晴天のCanada Blueをいつも感じていたいですよね。

 それゆえに気をつけておくべき注意点があります。日焼けをするにもまずはプロテクションを確実に行わないと表面の皮膚だけではなく、皮膚の奥の細胞にまでダメージを与えることがあるので気をつけましょう。日本人は黄色人種なので皮膚にある程度の数の色素(Pigment)を含んでいます。そのため、日に焼けると肌が黒くなる人が多いので、過剰なプロテクションをすることは不要ですが、紫外線の強さと日照時間が長いことから、特に子供やお年寄りは、何もプロテクションをしないよりはしたほうが良いでしょう。ちなみにカナダ人などの白色人種はこの色素が皮膚にあまり含まれていないので、少し日焼けをしただけで赤くなり、そばかすやシミなどが皮膚にできやすいのです。そのため肌へのダメージが黄色人種に比べ強いので、両親のどちらかが白色人種の場合、子供には必ず、プロテクションを怠らないことをオススメします。たまに日本人でも同じような症状になる方もいますので、自分の肌にあわせて商品を選び、プロテクションをこまめにすると良いでしょう。

 ちなみにプロテクションをせずに肌を日光に照らしていると、紫外線による細胞の破壊と皮膚の下にある皮膚の組織までも破壊し、挙句の果てには皮膚がんを起こす原因にもなります。だからと言って高いSPF値の日焼け止めを塗って一日、日光の下にいるのではなく、なるべくこまめに何度かに分けて日焼け止めを肌に塗ることによって、長く満遍なく肌をダメージと日焼けから守ることができます。ただし、日焼け止めに含まれる油分や暑さにより肌から出てくる脂で肌が日焼けすることもあるので、必ず日陰を作る(帽子をかぶる)などして無用な日焼けを防ぐのを忘れないでください。

 逆に真っ黒に日焼けしたいと言う人も、必ず日焼け用のローションを使いましょう。紫外線の肌へのダメージを減らし、長時間日光の下にいても綺麗に身体を焼くことができます。日焼けローションを使うべきか、日焼け止めを使うべきか、それぞれの用途を把握してから商品を選ぶと良いでしょう。

 最近の日焼け止めにはクリーム系、ローション系、スプレー系、それに加え、スポーツ用、冷却効果付き、子供用、敏感肌用、オーガニック、ブロードスペクトラムなどいろいろと種類があり、商品を選ぶのに困ると思います。基本、子供用は敏感肌用に近いのと、目にしみることがない商品が多く、私は化粧の下地のクリームの代わりに毎日使っています。日中、太陽の下で作業をする方や、とにかく多く汗をかく方はスポーツ用のブロードスペクトラムを選ぶと良いと思います。ブロードスペクトラム(Broad Spectrum)とは、太陽から出る紫外線全て(UVA, UVB, UV)を全てカバーすることができるというものです。スポーツ用にすることで汗で落ちることを防ぐので、他の商品に比べ長い時間プロテクションをすることができます。お店に行くと多くの種類が並んでいるので、ゆっくり時間をかけて自分にあった物を選ぶと良いでしょう。

 それに加え、毎日の食事やサプリメントなどから抗酸化作用のあるビタミンE、ビタミンEの酸化を防ぎ、肌の退化を防ぐビタミンA、肌の張りを助けるコラーゲンを作る手伝いをするビタミンCなどを摂取すると、内側からのプロテクションを促進するので日焼けによる身体へのダメージを減らすことができます。

 日光浴をする時は、特にビタミンDの摂取に気をつけなくてはなりません。ビタミンDは日光浴をすることにより身体で生成することができます。約20分ほど日光を浴びているだけで一日の必要摂取量の1/4程を生成することができるため、大人ももちろん、特に子供は必要摂取量が大人より少ないので、外でたくさん遊ぶ子供たちには摂取を控えさせたほうが良いでしょう。ビタミンDやビタミンAはビタミンCなどと違い、油性ビタミンなので、必要量以上のビタミンは肝臓に蓄積されるので、摂取しすぎると過剰摂取障害などの問題が起こってきます。また摂取することが面倒な時は、フェイシャルマスクやティッシュに液体のビタミンを含ませてパックすることも良いでしょう。摂取するよりも肌に直接つけたほうが吸収力が高いので、日焼け後の自家製のパックを作り、一日の疲れを取るバスタイムに肌をいっしょに癒すのも良いのではないでしょうか。賢く肌を守って夏のバンクーバーを満喫しましょう!

 


草野明美 自然医学博士/Naturopathic Doctor

1989年にカナダオンタリオ州に父親の転勤で引越しをし、2002年にトロントにあるCanadian College of Naturopathic Medicine にて修業後、2年ほどバンクーバーの指圧学校で講師/カウンセラーとして自然治癒力の素晴らしさを教えていたが、日本でも同じことができないか一度帰国。その後日本で結婚、出産をし2013年7月に再度家族を連れてバンクーバーに戻ったあと、カルガリーMarket Mall内のNutrition Houseにてサプリメント健康アドバイザーとして勤務。現在は2児の母としてバンクーバーに在住。

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。