お客さまの都合のいいロケーションへ出張サービス
流暢な日本語からは想像もつかないが、日本から移民した両親のもと、カナダに生まれたカナダ育ちの二世。お客さまからの苦情対処という前職の経験を生かし、ファイナンシャルプランナーとして日本語と英語でのきめ細かなサービスを提供している。
便利な出張サービス
伊藤さんの仕事はファイナンシャル・プランナー兼リタイアメント・プランナー。投資のみでなく、バンキング、ローン、クレジットカードなどすべてのサービスを提供するファイナンシャル・アドバイザーだ。
加えてその特徴は、出張サービスができること。
「通常ファイナンシャル・プランナーは銀行の外ではお客さまと会えませんし、投資会社ではバンキングのアドバイスはできません。そういったお客さまの相談を日本語で、しかもお客さまの都合のいいロケーション(ご自宅、仕事場、近くの支店、ケアホーム、など)で行うことができます」
人生、老後の設定をお手伝い
特に専門としているのは、リタイアメント・プランナー。定年退職前後のお客さまへの投資アドバイス、バンキング、節税対策などだ。
「お客さまがどういう人生、老後を迎えたいのかという希望にそって計画を立てるのが私の仕事です」。
両親が日本語でお子さんが英語を話す場合、一緒に会って英語と日本語で同時に説明できるのも伊藤さんの強みで、お客さまからとても喜ばれているという。
人と接する仕事が好き
日本から移民した両親はバンクーバーで『かっぱ寿司』を開店。その後、ホワイトロック店に移り合計34年、店を営む。忙しく働く両親を見て育ち、日本語と料理を覚えた。
日本語は流暢なだけでなく、丁寧語がすらすらと出る。「カナダの航空会社のカスタマーサービスで7年働いていましたからお客さまと接すること、特に苦情には慣れています(笑)」
もともと投資に興味があり、自分でも投資していた経験から専門的な知識を身につけたくてBCITで経済学などを学びCFPを取得。それを活かしたくてファイナンシャル・アドバイザーになった。
銀行でファイナンシャル・プランナーとしてサービスを提供し始めて10年。「これからも日本人のお客さまを中心に喜んでいただける心のこもったきめ細かいサービスを心がけていきたいと思います」
週2日は両親の店のディナータイムを手伝い、家では家族で飼っているウサギの面倒をみている。親身になってお客さまの老後の相談に乗る姿に、そんな家族思いの一面がオーバーラップした。
(取材 ルイーズ阿久沢)
2013年7月4日 27号掲載